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「黄昏の君 ヴォルフィーネ」

2016, 8, 14 / WIN / ノベルタイプADV / ときてっと



【商品説明・あらすじ】
「黄昏の姫ヴォルフィーネ」はグラフィック&ムービーで彩るファンタジーノベルです。
キャラクタービジュアルはもちろん、ハイライトシーンではイベントグラフィックやムービーで世界観を演出し、ストーリーを盛り上げます。


「ここ」ではない、「どこか」、「いま」ではない「いつか」のお話…

真昼の国と月の国、二つの大国は争うさだめ…
天の至宝「太陽球」
真昼の国がそれを持てば、世界は昼に。
月の国がそれを持てば、世界は夜に。
そして、真昼の国の王女フィモシー10歳の誕生日…。
突如としてまひつの国に攻め込んできた月光王の手によって、世界は闇に包まれる。
一人逃げ延びたフィモシーに、吟遊詩人ヴィルヘムは語る。
月光王を打ち倒し、世界に光を取り戻すには、かつて世を滅びから救った救世の騎士「黄昏の君」の力を借りるよりほかに方法は無い、と…。
真昼の国を救う為、かくしてフィモシーは救世の騎士、黄昏の君の召喚を決意する。




【グラフィック・演出関係】
商品説明のところでも書いてありますが、本作の特徴となる点はグラフィックやムービーとなるのでしょう。
私自身その辺や演出を期待して本作を購入をし、プレイをしました。

で、確かにグラフィック関係は良かったように思えます。
背景は綺麗でしたし、ムービーも動的なシーンで頻繁に扱われています。
また、船で移動するシーンがあるのですが、
その際に背景の景色も動いている風に演出していましたしね。

ただまぁ問題点もありまして。
このゲーム、テキスト表示が全画面なんですよね。
全画面にテキストが表示されるということは、
綺麗な背景にテキストが乗っかるということです。
グラフィックを売りにしておいてテキスト全画面はないでしょう。
格子の付いた窓から綺麗な景色を見せられたようなものです。

グラフィックを全面に押し出したいのならテキストの表示の仕方についても検討すると思うのですがね。
その辺が全く考慮されておらず、なぜ全画面の表示形式にしたのか心底疑問でした。

例えばファンタジー系のゲームだから専門用語などの説明が必要となり、テキストをたくさん表示できる全画面にした、とかなら分からなくもないですが、
そういった場合には一部で全画面にすればいいだけですし本作では、そんな説明もありませんでしたしね。

また、本作ではムービーなどを用いて動的なシーンを表現しているわけで、視覚的な方面で演出をしているわけです。
その演出をも邪魔する全画面表示はどうなんだろうね?
視覚的に表現をしているわけですから、地の文などで表現する必要もありませんし、なおさら全画面である必要性が感じられないのですが…


【ストーリー】
真昼の国の王女フィモシーの成長物語みたいな感じでしたね。
本作は劇場をコンセプトとしているためボリュームは少ないです。2時間くらいですかね。
私は基本的にストーリーに対してひでえなとか思ったりしないのですが、これはちょっとひどかったですね…
本作の最大となる山場がフィモシーが「黄昏の君」を召喚するために色々旅をしてきて成長した、というところなのですが、その成長が感じられないのです。
旅の過程で苦労した過程がありませんし、元からよく出来た人間でしたからね。10歳とは思えないくらい。
なので、旅でよく成長しましたね、という流れになっても「はあ」としかならず、興ざめでした。
10歳の王女なのですからもうちょっとわがままなのでは。
というか、成長をさせるのなら最初あたりはあえてわがままを強調させ、少しくらいユーザーのヘイトを集めさせるくらいのほうがいいと思います。
そうして最後にちょっと我慢する描写や態度を出せば成長を感じさせることが出来ると思うのですが、どうですかね…

また、なんだかラスボスとフィモシーが対立する山場となるシーンがあるのですが、
ラスボスの言ってることや要求が意味不明。
ネタバレになるので詳しくは言いませんが、なんでそうなるのか、脈絡がなさすぎます。
また、その脈絡の無さから王女成長しましたね~って流れになるので、
一種の茶番さを感じます。
ストーリーを通してなぜそうなるのかという根拠がまったく無いのでそのように思えたのでしょうね。


【その他】
キャラデザ、首が細すぎる。
私はキャラデザにほとんど文句を言いませんし、
プラスで捉えようと精一杯努めますが、これは無理でした。
合う合わないもあるかもしれませんが、優れているとは言いがたいような気がします。
書き分けも微妙ですし…

BGMは良かったですね。作品の雰囲気に合っていましたし、演出を最も盛り上げていた要素だと思います。
ただ、これフリーらしいですね。場面に適したBGMを見つけてきたことを褒めるべきか、それともフリーだからと軽視するかは個人の判断ですね。
どちらにせよ大幅に加点できる要素とはなりにくそうです。


【総合】
良かったのはBGMだけ、
それもフリーということでなんともまあ微妙な作品となってしまいました。
演出に期待をしたのですが、正直なところムービーもさほど動いているわけでもないし、
テキストは全画面表示と作品の売りとなるグラフィックを潰しに来るしで、
トータル的なゲームデザインのセンスを感じられませんでした。
これが気に入ったのなら同サークルの「リズベルルの魔」をやろうと思ったけど、
こんな感じならやらなくていいかな…
厳しいようですが凡作としておきます。ちょっと期待していたので残念でした。



総合評価:D (凡作)