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「フローラル・フローラブ」

2016, 7, 29 / WIN / ノベルタイプADV / SAGA PLANETS

─── あの日、俺は天使を見た─── 



【あらすじ】
――あの日、俺は天使を見た。
天使のような彼女たちと恋人になれたら、きっと天国のような毎日が待っている!
もっとも彼、斉須柾鷹(さいす まさたか)は、天国など自分には縁がないと思い込んでいた。
だが天使の一人から、完全にロックオンされてしまう。
確かに 美鳩夏乃(みはと かの) とは幼なじみだが、学園一の超お嬢様!
そんなに毎日 大好きビームを照射されても、はるかに遠い高嶺の花だ。
その友人・朱鷺坂七緒(ときさか ななお) はモデル並の黒髪美人。
だけどツンツン天使と呼ばれるほどに素っ気ない。
アーデルハイト・フォン・ベルクシュトラーセ は、リアルお姫様!
独唱は天使の歌声と賞賛されるほどだが、いつも気だるげで世話が焼ける。
椿姫こはね(つばき こはね) は敬虔なクリスチャン。
天使と呼ぶにふさわしい性格美人で、柾鷹は頭が上がらない。
……ん? 気付けば、全員と関わりを持ってないか?
だが、それも宿命だったのかのかもしれない。 彼にはささやかな秘密があったのだ。
“目をこらせば、天使の翼が見える”
その心が善なる時は天使が、悪なる時は悪魔の羽根が見えてしまう。
それは幼き日――
初めて天使を見た時から、始まっていた。



【感想】
萌えとは主観に依存するものだと思います。
キャラデザから始まり、年上年下、巨乳や貧乳、キャラクターの性格など、それぞれの要因が自分の中の趣味嗜好と重なり、萌という感情が生まれるのでしょう。
もちろん、意識していない属性を持つヒロインなどに萌える場合もあります。
それにより新たな属性に目覚めていったりしますから。

というわけで、いわゆる萌えゲーを評価するには、他のジャンルのゲームと比較して主観の要素が大きく出てしまうのは仕方の無いことだと思います。
(まぁ私は基本的には主観を点数に反映しないようにはしていますが…)

本作はノベルタイプのADVで、いわゆる萌えゲーと…と書けたらよかったのですが、果たして本作は萌えゲーなのかなと。
ここで萌えゲーを厳密に定義することはしませんが、
主人公とヒロインとの間の恋愛要素や掛け合いを重視した作品が萌えゲーと言われる作品に当てはまるかと思います。

で、萌えゲーだとヒロインが目立ってくれないと萌えにくいですよね。
目立たないと単純に出番が減りますし、それだけで萌える要素や魅力が半減するかと思います。

本作は共通や個別ルートなど、作品全体を通じて主人公の存在が非常に強いです。
プレイし終わった今でも一番印象に残っているのは主人公で、ヒロインたちより目立っていました。

うーん、これはストーリーが悪いのでしょうね。
作品の根幹が主人公自身にあるので、どうしても主人公中心にストーリーを運んでいかないといけない。
そのストーリー運びに対して、ヒロインが体よく扱われているという印象を受けました。

よくある萌えゲーですと個別ルートなどに入ると、主人公とそのヒロインだけのセカイになり、ヒロインや所属するグループの問題が~などと展開していくように思われます。
ヒロイン側からストーリーの流れが生じるとでもいうのでしょうか。
本作はどのルートでも主人公から流れが生じており、ヒロインたちが主人公の自分探しやアイデンティティの確立に付き合わされていきます。
まぁそれだけではなく、ヒロインたちの問題に対抗して~みたいな流れもあるのですが、それも主人公の過去などに起因しているのですよね。

なので、主人公の存在が大きくなる。相対的にヒロインたちが目立たなくなり、萌えにくくなる。
さらにいえば、主人公関連や主人公が起因となる問題に描写を割くので、日常パートが少なく感じました。
それにより、より一層ヒロインたちに夢中になる機会が減っていました。

そういったストーリーの構成をしていることから、本作は萌えゲーと言い難いのかなと。
または、上記の様な問題があるため、優れた萌えゲーとは言えないでしょう。


じゃあストーリー重視の作品としてはどうなのかと言われたら、こちらも良いとは言えませんでした。
幼少期の主人公の記憶を求めて行動したり、アイデンティティを確立したりするだけですから。
幼少期にドラマティックなできごとがあり、それが現在に多大な影響を与えていたりしていたら別ですが、そんなこともありませんでした。
また、アイデンティティの確立など、キャラクターの自我に関することは苦悩や葛藤などがミソとなると考えています。
本作はそういった部分もあっさりしており、全体的に薄味で微妙という感じでした。

【キャラクター】
夏乃と七緒が良かったですね。
この二人は仲が良く、ガールズトーク的なシーンもちまちま見られたのでその点は良かったのかなと。
ただまぁ、これちょっとネタバレになるんですけど、七緒が寝取られゲーに出てきそうなおじさんと二人で会ったりお金もらうシーンがあるんですよね。
これエロゲーだからさ、色々裏を考えちゃうわけですよ。
いっそ寝取られ要素あったら面白かったよなとか思いながらプレイしていたのですが、本作を買った最大の理由が七緒でして。
内心そう思いつつそういうシーンあったらショック受けるだろうなぁと、いわゆる処女独占厨の気持ちも分かるような気がしましたね。
まぁショック受けつつ興奮するんだろうけどね、寝取られは不意打ちできてナンボですからね。
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【その他】
グラフィックBGMシステム等は普通。
お気に入りボイス登録機能や、スクショをTwitterに上げられる機能などが追加されていました。



【最後に】
とまあこんな感じですかね。
本作は全体的にシリアス風味となっており、それが微妙だったかなと。
主人公が中心としてお話が進むこと自体は別に良かったのだけれど、主人公が魅力的ではなかったので、内心どうでもいいなという感じでした。
特別やる必要のない作品ですし、凡作でも良いかなとは思いますが、七緒さんに免じてギリギリ佳作としておきます 


総合評価:C (佳作)