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「少女たちは荒野を目指す」
2016, 3, 25 / WIN / ノベルタイプADV / みなとそふと

美少女ゲームに賭けた、その青春



【商品説明】
みなとそふとの“売れるゲーム”のノウハウがここに集約 !?
企画・タカヒロ氏。 『CROSS†CHANNEL』 で伝説を作った 田中ロミオ氏×松竜氏 のコンビで描く、禁断の美少女ゲーム開発ADV!
ゲームブランドとして身を削るような作品でありながら、その展開は全年齢でアニメ化と、まさに乾坤一擲の期待作 !!
なお、みなとそふと は神奈川を拠点に、海の家の開催など様々なイベントも行なってくれるメーカーなので、本作でも何かおもしろい動きがないか情報はしっかりチェックしておこう♪
気になる本編の物語は、二部構成の壮大な作り。
一部では、学校でゲーム研究会を発足してデビュー作の同人ゲームを成功に導き、彼女もゲットするまで。
二部ではその後ゲーム制作会社で働くなど、社会人となり よりゲーム作りなどに突っ込んだ内容が描かれていく。
もしかしたら現実で起きてしまうかもしれないリアル志向の物語を、美少女ゲームファンなら見届けずにはいられないっ!?
同時発売の アニメEdition には、TVアニメとは異なるエピソードが収録されたBlu-rayが付属!
荒野に足を踏み入れたい・踏み入れている人は全てを手に入れよう !!

【はじめに】
いきなりですが、私は田中ロミオ氏があまり好きではありません。
というより、合わないといったほうが正確なのでしょうね。
有名な作品など触れてきましたが、どうにもシナリオが苦手なんですよね。
そんなわけで当初はスルーしようと思っていたのですが、私はみなとそふとを一応応援している身なので、結局プレイしてしまいました。

そんなわけでプレイした荒野でしたが、想像以上に楽しめました。

【ストーリー】
上記の商品説明を見てもらえばわかるとは思いますが、本作はエロゲー作りがテーマとなっております。
いわゆる内輪ネタってやつですね。まぁその割に全年齢なんですが…
ストーリー自体は割りと普通です。エロゲー作り自体がストーリーの根幹となっていますが、本質的な部分はエロゲー作りを通した学生たちの苦悩や葛藤を描く、青春モノなのでしょうね。作品も青春ADVとジャンルされていますし。
本作はエロゲー作り・青春モノ、どっちつかずという印象を受けました。
どちらをとっても描写が圧倒的に足りてないんですよね。
エロゲー作りのほうをとっても、エロゲ業界あるあるなど、「業界」や「業界人」に関する描写が多く、エロゲー作りの大変さや楽しさというのが伝わってきませんでした。
エロゲー業界ってこんなに大変なんだよ~、でも楽しいよ~、という印象しか受けませんでした。
また、青春モノとしても、圧倒的にボリュームが足りませんでした。
各個別シナリオか苦悩や葛藤が描かれていくのですが、1ルート2時間もあれば終わりますし、山場となるシーンも数分であっさり終わってしまいます。
そのため、キャラクターたちの理念などに共感をすることはありませんでした。
ということで、ストーリー自体は優れていると感じませんでしたし、むしろダメな部類なのではという気がしますね。
全体を通しても「転」となる大事な部分での描写が圧倒的に少ないせいで、プロットを垂れ流しているという印象が強かったです。

うーん、これ、全年齢なんですよね。
本作は全年齢対象というより、未成年対象というのをプレイしていて感じました。
ジュブナイルとでも言うのでしょうか。
なんというか、進研ゼミの漫画みたいな感じなんですよねw
おれ、このままでいいのかな→エロゲならうんたら~→ちょっとした苦労(描写が微妙なので大変そうに見えない)→やったぜ、エロゲ作り最高!
みたいな。
エロゲ作りを美化して、若い人を対象にエロゲづくり啓発を促しているような感じなんですよね。
下心があるって感じかな…SHIROBAKOとかもアニメ作りが美化しているような感じがありましたけど、あっち自体は、キャラクター達がアニメを作ることが本当に好きっていうのが伝わってきたんですよね。
対して本作はキャラクターたちからそういったものが伝わってきておらず、上っ面のセリフだけで中身が伴っていないせいか、そういう風に感じたのでしょうね。


【シナリオ・キャラクター】
一番危惧していたのがシナリオでしたが、一番楽しめましたw
ロミオ作品を色々触れてきましたけど、ロミオのシナリオってこんなに面白かったっけな?というレベルで楽しめました。
ので、ロミオが苦手な人でも楽しめる可能性が高いと思います。
逆に、ロミオが好きな人が楽しめるかどうなんでしょ、おそらく楽しめるとは思いますが。
比較的ライトなシナリオでテンポよく進むため、さくさく読めました。
キャラクター同士の掛け合いなど非常に面白く、良かったと思います。

キャラクターは黒田さんが良かったですね。
ホント可愛かったです。黒田さんで元が取れるというと過言ですが。

【CG】
80枚くらい。
なんか一部筋肉もりもりになっているCGでもありましたが、概ね良いのでは。
ただ、CGを使っているシーンがさらっと流れてしまったり、このCGいるか?っていうものもあったので、使い方に難ありという感じでしょうかね。

【BGM】
ちまちま覚えているBGMがあるのでなかなか良いのでしょう。
日常シーンでのBGMは全体的に雰囲気を表現出来ているように感じました。
しかし、強調すべき盛り上がりのシーンなどでのBGMは弱かったような気がしますね・

【システム】
次の選択肢へ進むなど、スクリーン解像度など細かいところの調整ができます。
なかなか良いです。プレイしていて重くもなく、快適でした。

【総合】
キャラクターの掛け合いやシナリオが楽しめたので、満足度は高いです。
しかし、ストーリーがなんともいえませんね…
また、ゲームシステム自体は普通のノベル形式ですし、演出も特別優れているわけではないので、点数自体は伸びにくい作品ですね。
そして、全年齢でフルプライス、その割にボリュームはないので値段相応とも言い難いです。
それらを考慮すると佳作くらいなのかな。
ロミオシナリオが好きな人なら楽しめるとは思うのでやって損はないと思います。
それ以外のひとはスルーしていいような作品でしたね。



総合評価:C (佳作)