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「罪ノ光ランデヴー」
2016, 2, 26 / WIN / ノベルタイプADV / minori

いけないの、しってても。 

 
 
 【あらすじ】
暗いトンネルの向こうに、光が見えている。
そのほんの一筋の光は、希望を表しているようにも感じた。
小さな村の、たった一つの出入口であるトンネルの目の前で、野々村優人は空想世界の絵を描いていた。
光が届かないくらい遠い海の底に住む、人魚の女の子の画。
その日は、ふと顔をあげると目の前に彼女が―― キャンバスの中と同じ、彼女がいた。
小さく、狭く、閉じた、絵本の中のような、その場所に。
そしてその村・珠里村も優人も、その 真澄あい という新しい住人を受け入れた。
――光に手を伸ばし、それを辿るようにして、着いた場所で。
新学期、春。
両親のいない優人にとって、入学式は憂鬱なイベントだった。
校門の前で写真を撮ったり、新入生入場の瞬間をビデオカメラに収めたり、特別な一日を親子で楽しむ。
その当たり前の景色が自分に欠如していることは、もう慣れてしまったことだった。
それでも桜の咲く前に、唯一の近しい親戚である祖母を失ってからは、急に寂しさを感じることがあった。
そんな優人の孤独を知り、あいは自らの痛みを打ち明ける。
親に捨てられ、生まれながらの孤独を味わいながら、自分の生きる意味を探しているあい。
父親を火災で亡くし、母と姉は行方不明。 村に取り残され、空想の絵を描いて現実逃避をする優人。
二人は真逆で、それから、よく似ていた。
距離は縮まってゆく。
優人は、ある後悔を抱きながら。 あいは、ある嘘を隠しながら。
秘密を抱えたままの二人が関わり、繋がり合おうとしていくたびにその罪はより強いものになり、絆になっていった。
光には影が、あることを忘れたまま。




【感想】
いつものminoriでした。
…で終わってもいいような作品でしたね。
相変わらずグラフィック、演出は他所よりは良し、シナリオは普通ですが、
本作は雰囲気重視とは言えないような気がしますね。
いつものminoriが好きな人は楽しめるでしょう。
 
 
 
【ストーリー】
テーマというほどではありませんが、罪が中心となってお話が進みます。
子供の頃に犯した過ちや誤った道へ進んでいこうとする罪でしたね。
本作では罪をどのように解決するかというよりも、主人公やヒロインが罪に対してどのように向き合っていくのかが話の流れになります。
また、本作はすこし不思議要素がありませんので、そのような設定から作られる雰囲気のようなものは味わえないので、雰囲気に期待してプレイするとだめかもしれませんね。
私は罪の部分に惹かれて購入したのですが、ある程度は満足できたのかなと。
と言っても、それはストーリーよりもキャラクターで満足したのですが。
 
ストーリーはちょっと微妙でしたね。
というのも、ヒロインの意見がころころ変わって、一言で言うとアホくさい。
やっぱりこっち、いややっぱり無理、やっぱりこっちところころ。
それが思春期らしいといえばそうかもしれませんが…
ストーリーからヒロインたちの芯のようなものを感じ取ることはできませんでした。
ただ、ヒロインの心情には共感を覚えるんですよね。
 
ただ普通に付き合って別れたらただの元カノ…
それならば、昔の罪の意識と自分をリンクさせて、主人公のなかで特別でありたい。
本作のヒロインである真澄あいの考えなどは個人的には共感を覚える部分もあり、なかなかツボなヒロインでした。
なんかこういう面倒臭いヒロインて好きなんですよね。
自分が面倒臭い人間だからでしょうか。
また、風香もかなり魅力的でしたね。
私が年上スキーというのもありますが、からかってくる年上は最高ですね。
 
あともうひとりヒロインがいたような気がしますが、主人公のことをユージーンって呼ぶのが個人的に気に食わなかったですw
で、このヒロインのシナリオを通じて思ったことがあるわけで。
このヒロインのお話では、ヒロインが許嫁か主人公、どちらのもとにつくか悩みます。
ヒロインは村長の娘なので、村の繁栄を望み、どう行動するのかいろいろ悩み、ストーリーは進んでいくのですが、この村ってそんないい村なのかなと。
私が感じた村の印象は閉鎖的・排他的・村の繁栄を望み、行動する人がいない、というものでした。
確かに、サブヒロインや村長は村のことを考えています。
しかし、登場してこない不特定多数の住民たちはそのようなことを考えてませんからね。
村全体としては上記の印象を抱いたわけです。で、そんな村のためにあれこれ必死に考えて結論を出したヒロインたちにまったくもって共感や特別な感情を抱くことができませんでした。
日常パートを通じて村を魅力的に感じられない、そういった描写もないため、村のために頑張ろうとするヒロインたちを見てもなんとも感じないんですよね。
しかもころころ意見変えるし、見てるだけのプレイヤー側としては非常にあほらしいシナリオだなと思いました。
 


 
【演出・グラフィック・CG】
いつものminori。立ち絵やCGで目パチ口パチあり。
動的なシーンもあり、優れてないといえば嘘になるでしょう。
ただ、そろそろこれを褒めるのも限界が来たのかなという印象を受けました。
まず第一に、minori的に成長していない。数年前の「夏空のペルセウス」の時と比べて、技術的に進歩が見られません。成長していません。
第二に、HDDの容量やパソコンのスペックに見合った演出ではない。
本作では容量9GBくらいでしたっけ、そしてヒロインと並んで歩くシーンのアニメーション風な場面が非常に重かったです。
歩くシーンは人によっては重くなかったと言ってる人もいましたね。
私のパソコンだと非常に重かったですね。4-5年前のノートパソコンだからでしょうか。(でも今までエロゲやっていて重いなと思ったことないんですよね、ランス9あたりはきついなという感じではありましたが)
というように、容量やスペックを要するくせに、前作らと大差なく、成長していないため、全然褒めることができないように思えます。
てか、技術をパソコンに依存させすぎでは?
数年後の作品は20GBくらいでもっとたくさん動かすシーンを増やすのでしょうかね。今後、minoriがどういった演出を見せてくるのかという興味は、本作でなくなってしまいました。
なんというか、minoriの演出は「商業エロゲ」の中では優れているだけなんですよね。
井の中の蛙ですね。
視野を広げてみれば同人など、本作よりも少ない容量で、新たな演出を試みている作品もありますし、それらと比べてしまうと本作は大したことないと思ってしまうのです。
 
 
 
【BGMその他】
特に印象はないです。
エロシーンが最初から全開放されており、ユーザーにやさしい仕様となっています。
 


 
まぁだいたいこんな感じでしょうか。
私としてはヒロインが魅力的で、ある程度楽しめました。
ただまぁ、minoriの今後には期待できそうにない、そう思わせてくれる作品でした。
ランクはCかDで非常に悩みましたが、一応演出面は他よりましですからね…ギリギリCということにしておきます。
総合評価:C (佳作)