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「CARNIVAL」
全1巻 / 二次元ドリームノベルズ / 瀬戸口廉也  / 2004年




つい最近ですが、小説版「CARNIVAL」を読み終えました。
感想としてはまぁまぁ面白かったといった感じでしょうか。
正直なところ、この作品は今プレミア値(15k)がついていますが、それ相応の面白さがあったかと言われると首をかしげたくなりますね。
エンタメ的に微妙、シナリオもゲームの方の瀬戸口テキストに比べると「らしさ」が抜けた落ち着いた感じでして…まぁこれは媒体の問題でもありますが。
小説でしたのでどうしてもそうなるのかなといった感じ。
しかし、最終的には読んでよかったと心の底から思えました。

ということで適当に感想でも書こうかなと。(追記:感想かと思ったら瀬戸口廉也についてただ書くだけの記事になってしまいました)
感想って苦手なんですよね。ストーリーに対する感想とかで、作中のセリフを引用してさ、国語の解答みたいにすげーかっこいいこと書く人たくさんいるじゃないですか。
対して自分は思ったこと言ってるだけで、なんか的外れなこと言ってんじゃないかとか結構気にしたりするんですよね。
だからレビューでもあんまりストーリーに対する言及がなかったりします。(ストーリーのみ語るレビューや感想がありふれてるから別に自分は書かなくてもいいやみたいなところもありますが)


さて、自分は瀬戸口廉也というライターが好きです。
テキストに惚れたというのもありますが、それ以上に彼の作品にはひとことで言うと「後ろ向きの前向き」さがあり、そこが一番自分にとって好きなところ

だったりします。
彼の作品は大体が陰鬱で暗い感じですが、その暗い中で前に行こうとする姿勢、とでも言うんですかね、そこがたまらんのですよ。

で、小説版「CARNIVAL」もそれが現れていて、個人的にはもうそこだけでああもう読んでよかったなってなりました。
具体的には父親と学が会話するシーンですね。学の独白シーンとかもう最高。
ここで払ったお金分以上の価値を得ました。ていうかもうプライスレス。
ていうかやっぱ瀬戸口が書く独白は最高だね。うん最高、最高。

「生まれてきて本当に良かった」とモノローグの『世界は残酷で恐ろしいものかもしれないけれど、とても美しい。思えば、そんなこと、僕らは最初から知っていたはずなんだ』
もうこのふたつに「瀬戸口廉也」が詰まっているな、と感じました。
自分にとって瀬戸口作品は一言で言うと「人生讃歌」のようなものであり、それが一番表現されているシーン・作品であると感じました。

…正直上の文章を書きたくて感想を書き始めたのでもう書くことが無いですね。
そういえば本作のあとがき、あれイカンでしょ。本作より衝撃受けましたね。一生忘れられないあとがきになりました。
「あの狭い飼育小屋のなかみたいな世界だな、と思います」に対する自分の考えが出ないでいる。


…結論としては読んで良かったの一言に尽きます。
自分にとって「CARNIVAL」というのは特別な作品なんですよね。
瀬戸口作品にハマったきっかけでもありますし、自分を一時期シナリオ厨に引き込んだ諸悪の根源()でもありますし、エロゲで暗い作品もいけるんだなとか思ったような気がします。
(まぁ初心者同然の頃にやったのでそう思うのも無理ないですね。)
そんな特別な作品であり、自分にとっては本作が瀬戸口作品のシメということもあり、嬉しいような悲しいような、なんともいえない気分ですね。
大体作品を読んだ後は感想を漁るのですが、本作に限っては自分が感じた気持ちを、間違っていても消したくないと思っているので、他人の感想を見ることはなさそうですね。

瀬戸口作品に会えてよかった。



(唐辺葉介の新作まだですかね?つめたいオゾンクソすぎてあれが最後とか認めないぞ)