186025360

「同人ing Let’s make the doujin game 赤き誓い編」

2012, 12, 31 / Win / ノベル / 星団ファミリー


【商品説明】
同人ゲームを作ることになった。
135万を稼ぐことになった。

高校生たちが立ち上げた同人サークル「ラン&ループ」。
そこに赤名康平はシナリオライターとして参加することになった。
絵師、作曲家、広報と協力して同人ゲーム制作に身を投じる。
だが、だれもがゲーム制作をしたことがない素人ばかりだった。
そして掲げられた目標が135万だった。

金も才能も技術もない。
ないものだらけの人間たちの創作物語。
(パッケージ裏より)
 


【感想】
タイトルを見てもらえば想像がつくかと思いますが、赤き誓い編ということで、本作はシリーズモノとなっています。
シリーズっていうより、作品のストーリーが4話構成になっており、1話ごとに頒布されたという形ですね。
本作は最終話(4話)となっており、かつ前3話が含まれています。
つまりこれを買っておけば最初から最後までプレイできますよってことです。
今回はシリーズ全体の感想ということで。
ちなみに全年齢です。ボイスなし。

まず率直な感想ですが、かなり楽しめました。
普通に面白かった。久々にノベルゲームに熱中しましたねw
本作は買って数年くらい熟成させていたのですが、(ツンデタワケジャナイヨ)
もっと早くやっておけよ自分…という感じでした。

そんなわけで面白かったです。
大体の人は楽しめる作品ではあるのですが、ちょい注意点が。


まずストーリーですが、高校生たちが(一部専門学生)135万を稼ぐために同人ゲームを制作するお話となります。
あらすじだけを見ると若干変化球ぽい感じ?に見えますが、
ストーリー自体は王道となります。
同人ゲームを制作するというと独自性があるように見られますが、
プレイして得られた感覚としては少年誌の団体スポーツものと近い感じでした。
作品の完成を目指すためにサークル一丸となり意見を交える。
時にはぶつかることもあるし、果たして自分には才能があるのかと悩むときもある…
ライバルサークルのあいつに勝つためにはどうすれば…
あいつに同人ゲームの素晴らしさを伝えるにはどうすれば…
本作のストーリーにはこれらの要素が含まれており、
それをもとにストーリーが構築されています。
プロットという観点からすると、強い独自性は感じられにくい本作ですが、
やはり同人サークル自体が制作しているということで、
ゲーム制作の描写はなかなか見どころがあり、楽しめました。

キャラクターも魅力的でしたね。登場キャラが同人ゲームにしては多い気がしますが、
どのキャラもキャラがしっかり立っており、個性豊かだったと思います。
他所のサークルがふたつほど登場するのですが、
役割終わったらポイみたいな捨てキャラではなく、
最後まできちんと役割があったのは印象深かったですね。


グラフィックは値段を考えると相応の量だったりするのかなと思いました。
ただ一つ言うのであれば、作中で春から冬に移り変わっているのに、
キャラの立ち絵(服装)に差分がないから、
作中冬なのに半袖立ち絵とかあってもうちょい気合入れて欲しかったなぁってところ。


ゲームシステムとしては選択肢や分岐のないノベル。
読む重視の作品ですね。
テキストが画面全体に表示されるヴィジュアルノベルタイプ。
立ち絵などの演出などは弱め。
ただ盛り上がる個所などはBGMやグラフィック等で盛り上げてきていた印象。
背景は実写系。
イメージ4306


こんな感じですかね。
個人的には結構おススメしたいところですが、
プロットは王道である点、2012年に頒布されたのに対して、
システムや画面等全体的に古臭いという点が気になるところでしょうか。
ボイスとかもないしね。

なんか今はアホみたいな値段がついているようでして。
制作者は2021年現在でも活動しているようなので、
再販される可能性もゼロではないのかな?知らんけど。
個人的には、高い金出すよりは再販の可能性に懸けたることを推奨します。