71yi5wWIs8L._SL1131_

「蛇香のライラ ~Allure of MUSK~ 第一夜 ヨーロピアン・ナイ」

2018,12, 21 / Win / ノベル / オトメイト




【ストーリー】
ルーガン王国の第一王子--“ヴィンス・ルーガン”

苛烈な冷酷さと蜂のような鋭利さを持つ第一王子は、
領土拡大のためなら手段を選ばないことで有名だった。

今回の『世界次世代指導者会議』が終われば、
軍国主義国家と名高いルーガン王国の国王に即位するという。
彼は、会議を前哨戦とするべく気を引き締めていた。
そんなヴィンス王子とは真逆に、羽を伸ばす気満々の側近。二人は共にシャナーサ王国へやってくる。

--会議2日目の朝。

前日夜に催された歓迎パーティーで飲みすぎた為か、
ヴィンス王子の目覚めは、爽快とはいい難いものだった。
だが、その気怠さもあっという間に吹き飛ぶ。
いつの間にか見知らぬ女が部屋の中に入ってきていたからだ。

「勝手に女を私の部屋に入れるな。不愉快だ」

睨みつけながらも、ヴィンス王子は自身に訪れた変化に戸惑っていた。
喉の渇きにも似た抗いようのない欲望が、自らの理性を蝕んでいくのを感じたから。

--時は遡って会議開催の1週間前。

<<ショーサロン・カマル>>にとある客が訪れた。
“舞妖妃”の本来の姿。密偵としての彼女に仕事を依頼するために。
攫われた妹を助けて欲しい。それが今回のミッションだった。

依頼人は“ロラン・クライデル”--亡國の第三王子だ。

「……ねえ。ようやく、君を助けることができるよ……」

女を愛したことがないターゲットと、女の愛し方が歪んでいるクライアントとの
ヨーロピアン・トライアングル

渇愛の生贄に壊れるのは誰か--


【感想】
本シリーズは三部作となっており、本作はその一部目ですね。
さて、本来ならこういった分割作品はスルー安定なのですが、
作品テーマが「アラビアン×官能×三角関係」ということでちょっと期待してしまった感じですね。
特にアラビアンという点ですね。
なんだか最近は、
ノベルゲーであまり見かけない世界観を持った作品に惹かれつつあるので、
そんな感じでアラビアンな気持ちになりたくてプレイしました。

まぁぶっちゃけ微妙だったんですけど。
本作は読む重視のノベルタイプのADVで、選択肢により好感度を蓄積して、ルート分岐するタイプです。
また、BADエンドも多少含まれています。
ありていに言えば普通の乙女ゲーです。

さて、期待していたアラビアンなのですが、ヒロインの行動範囲が狭いせいか、雰囲気を堪能するという点では微妙でした。
大体宮殿みたいな敷地内にいますし、個別ではどっか違うとこに移動して西洋風な街へいってしまいます。
本作のアラビアン要素はヒロインの設定とかにしかないですね。
というわけで、アラビアンに惹かれた方は期待しすぎないほうが良いでしょう。

次にストーリーとかかわりが強い、官能と三角関係。
官能に関しては…いうほど官能か?という感じでした。
つーか実際どうなんでしょうね。
全年齢でエロ手前までぎりぎりやっているのは良いことなのか、なにがギリギリッスだよもうエロゲでやれよってなるのか。
まぁ個人的には後者だったりするのですが。
それにしても、ああ全年齢でエロギリギリまえやるのも悪くないな、
と思わせるほどの技量を本作から感じることができませんでした。
ていうか、攻略対象を堕とす段階のシーンで、本番になりそうになる直前で相手を道具で無理やり眠らせるって無理ない?
これで官能て無理でしょう。

三角関係も特筆する点はありませんし、ヒロインもそれほど魅力的にかんじることはなかったので、
いたって普通の作品でした。
一度くらいPC乙女ゲームの三分割作品を制覇したいと思っていますが、
なかなかそう思えるような作品には出会えませんね。