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「NIKE」

1991,7, 12 / PC-98 / コマンド選択型ADV / カクテル・ソフト




【はじめに】
「NIKE」とかいてナイキと読みます。 …まんまですね。
さて、本作はカクテルソフトから発売された、コマンド選択型のADVとなります。
「爆走寸前ハイパー美少女アドベンチャー」と銘打たれた本作。
ストーリーは簡単にいうと、主人公(ナイキ)が星間レースに参加し、優勝を目指していたのですが、
皇女のアテナが誘拐されたという情報が入った。
ナイキにとってアテナは、幼いころからの忘れることができない存在。
誘拐の情報を聞いたナイキは、アテナの行方を追うことに…

という、SFベースのレース+サスペンスモノになります。

【ストーリー・シナリオ・キャラクター】
レースものということで、中だるみすることなくテンポの良い展開。
さらに複数の惑星を行き渡るので、常に新鮮な感覚を持ちながらプレイすることができました。
また、惑星に降り立った時にミッションをこなす必要があるため、その惑星の雰囲気を感じ取ることができましたし、
後述するゲームデザインと被るのですが、ゲームデザイン面においても、常にメリハリと緊張感のあるストーリーを体験できました。
そして、その過程でサスペンス風の展開ですからね、二転三転とするストーリーにかなり惹きつけられました。

また、本作が魅力的なのはストーリーだけではありません。
いや、むしろキャラクター。こちらが最高だったからこそ、ストーリーもまた最高だったのではないでしょうか。
なんか、上記のストーリーだけ見ると、孤高の主人公がヒロインを救うために、
レースライバルや誘拐犯と戦う…というイメージを持ちそうですが、実際はそうではないのです。

実は主人公達はチームでレースに参加しているのですよ。
パイロットはナイキ、そのパートナーである美歩鈴。そしてレースマシンに搭載された人工知能(?)のSDC。
彼らの掛け合いがもう本当に良かったです。
主人公は軟派な部分が目立つけれど、ここぞという時には恰好良かったですし、世話焼き女房な美歩鈴はほんとにも~可愛かった。
SDCは主人公に対して皮肉を言っていた印象が多かったかな。SDCは美歩鈴大好きだったように記憶していますし、
作中でナイキと美歩鈴はちまちま喧嘩してましたからね。
その時のナイキとSDCの会話が印象深いですね。
とまぁ各キャラクターが良い味をしていたため、プレイしていて楽しかったですね。
イメージ1498

それゆえに、最後がとても切なかったですね~。
いやー自分、ていうかプレイした人は皆そうだろうけど、アテナ姫より美歩鈴派なんですよ。
でも、切ないけど爽快感もあるので、なんともすごいカタルシスでしたよ。

まぁ、問題があるとすればキャラクターの名前なんだろうけどw
私は美歩鈴なんて変な名前だなぁって印象だったのですが、
これ、当時プレイした人からするとパクリじゃねーか!wってなるんですかね。
(ここジェネレーションギャップ)




【ゲームシステム】
基本的にはコマンド選択型のADVになります。
けれど、一般的な動詞+名詞を選択するようなタイプ(例:取る・電話)みたいなのではなく、
○○を××する~という文章タイプのコマンドを選択するものになります。
今風にいうと、ノベルゲームの選択肢がコマンドになった感じでしょうか。
複雑なフラグ立て

とかもなく、レースを進行させるべきコマンドを選んでいけばサクサク進みますし、感覚的にはノベルゲームに近い気はしますね。
システムは一般的なものでしたが、ストーリーとの調和が見事でした。
例えば、レース中の危険なシーンでは選択肢を間違えると一発ゲームオーバー。
惑星に降りて探検する時は酸素ゲージがあって、酸素が切れる前までに、制限内に探索をしたりとか。
その場その場に適切な状況をゲームシステムで見事に表現していたと思います。


【グラフィック】
しかとみよさんの描くキャラクターは本当最高ですね~。
加えて、本作がカクテルソフト初の400ラインでしたからね。
グラフィック自体も豪華だったんじゃないでしょうか。

あとは、フェイスウィンドウですかね。
フェイスウィンドウがあるおかげで、ナイキと美歩鈴の掛け合いが視覚的にも非常に楽しめたと思います。
テキストも下三行に表示するパターンや、マルチウィンドウでいろんな場所に表示されていたと記憶しています。
画面デザインに工夫も見られた作品だと思います。



【悪い点】
自分だけかもわかりませんが、結構ゲームが重かったです。
私はPC-9801DXでプレイしたのですが、マウスカーソルの動きが結構遅かったような…

あとはまぁタイトルですね。ネット埋もれしやすいタイトルでしょう。
このゲーム、リアルタイムでプレイした方からは熱狂的なファンがいるような気がするのですが、
それ以降が続かないのは、タイトルのせいでもあると思いますよ…


【総合】
ストーリー・キャラクター・グラフィック・ゲームシステム。
どこをとっても一級品だったと思います。
BGMも良かったですしね。
PC-98初期のストーリー重視の傑作と言っても良いでしょう。
主観的にも、最も好きな98ゲームのひとつですね。
今だとなかなかプレイできる機会はないと思いますが
興味がある方は是非プレイしてもらいたいですね。後悔はしないと思います。