c995590package

「まおてん」

2018, 6, 29  / Win / ノベル / きゃんでぃそふと



【あらすじ】

1999年7の月。

地獄の底で
忌まわしき王を封じた鎖が外れるだろう。
魔の国より666の悪魔が溢れ、
人の世を混沌に導くだろう…。

そして1999年、地獄の閂は外れ――

現れた666人の魔族たちは、
70億を超える人類を700人足らずで支配するのは数的に無理と判断。
早々に人間界に溶けこむ道を選んだ。

10数年後の21世紀現在、ほとんどの人間はそんなことを知らず今日も平和を謳歌している。
魔族たちはあまり目立たないよう関東の海が近い田舎町、
「三咲町」を選んで集まり、日々を楽しく暮らしていた。

……『魔王』を名乗る彼女が転校してくるまでは。


【感想】
いやーこのゲーム、出ないと思ってたけど、出たね。
このブログを読んでいる方は知っていると思いますが、私はさかき傘先生が好きです。
記事を書いているときは好きなライターだから良いことばかり書こうとか、そんなことはしないようには意識していますが、
ノベルゲームは主観に依存することが多いので、結果的にいいことを書いちゃっている気がします。

よっしゃ、じゃあ「まおてん」もいいところ書いてやるぜ~と思ったのですが、
正直、本作はめっちゃ微妙でしたww
いやーまさかこんなつまらんとは思わなかったw
作品コンセプト的には「つよきす」+「思春期のアダム」ということで、
自分の好みの作品になる可能性は非常に高かったです。

けれどぜんぜん楽しめなかった。まぁ単に致命的なまでに合わなかっただけかもしれませんが。

本作はノベルゲームで、プロローグ後にキャラクターを選択肢、個別シナリオへ分岐する読ませる重視の作品です。
すべてのヒロインをクリアするとTRUEが出る構成です。

読ませる重視の作品ということで、評価基準はストーリーやキャラクター、グラフィック、BGM、コンフィグ関係となります。

で、どこがつまらないと感じるのかって、全体的に手抜き感があるんですよね。
たとえばこのゲーム、人間のほかに魔族とか天使が登場するのですが、
魔族の立ち絵がフェイスアイコンのそれなんですよね。
あぁ~めっちゃコスト削減してる・・・もしこれに普通の立ち絵があったら、
異人と戯れることのできる学園モノとしてオリジナリティがあるといえたでしょう。
けれどフェイスアイコンで画面デザインが安っぽいためなんかチープに感じるんですよね。
作品の設定もB級というかチープな感じがするので、作品を通して安っぽさをぬぐいきることができませんでした。
加えてゲームを支えるコンフィグ関係も、最近の商業ノベルに比べると古いため、ここでも安っぽさを感じるわけですね。
こう安っぽさを感じるとどうでもいいような細かい粗も目に付きます。
例えばキャラデザとかなんかカリスマJKモデルやら金剛デースみたいなのいて、なんか萎えるし。
まさに負のスパイラル。


あとストーリーを頑張ったせいか持ち味のキャラクターの魅力が失われているような気がしたし、
全体を通して中途半端という印象がぬぐいきれませんでした。

きゃんでぃそふとにとってさかき傘というのは、つよきすシリーズを復活してくれた救世主のような存在なんだと思います。
NEXTシリーズも好評ですし、まさに金のなる木。
そんなさかき傘が書いたシナリオなら、ある程度手を抜いても好評にするやろwとか、
メーカー側は思ってんじゃないかと、穿った見方をしたくなる作品でした。

この作品を機に、きゃんでぃ系列でさかき傘シナリオは要警戒したほうがいいと思ってしまいました。
個人的に、がっかりな作品でした。