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「Erewhon」

2018,7, 27 / Win / ノベル / CLOCK UP


紅い悪夢を喰む



【商品紹介】
きっかけは一冊の手記だった。
偶然手に入れた手書きの手記に記されていた“地図にない村”。
そこは――

狂い咲く椿、一足早い紅葉、沢山の赤い花々。
気が狂いそうに赤い森に囲まれた山奥の寒村、来待(きまち)村。
青年はその村に来訪神(まれびと)として迎えられる。

ようこそ、おいでくださいました。御廻様(おめぐりさま)。
今年の祭りは二十年に一度の特別な式年大祭でございます。
この者たちは、この特別な年に訪れる御廻様のために生まれ育った
斎(いつき)の者たちでございます。
ふたりは毎夜交代で伽に参ります。
村の美しい娘を一夜妻として神に差し出す……
これは古代からつづく大切な斎の儀式。
神を歓待するための、神聖な行為なのです。




【感想】
公式HPとかで本作のグラフィックに興味を持ち、プレイを検討しているのであれば、この記事を読む必要はありません。
すぐプレイしましょう。期待相当の満足感を味わえることでしょう。

本作はノベルタイプのADVで、選択肢によってヒロインごとの個別ストーリーに分岐するタイプです。
選択肢は非常に少なく、簡単に分岐します。また、クリアするごとに新しい選択肢が登場し、ロックされていたルートが解放されるタイプです。
以上のストーリー構造から、本作は読ませる重視のノベルゲームと言えるでしょう。
ストーリージャンルは伝奇です。

本作のライターは「euphoria」や「夏ノ鎖」を手掛けた浅生詠さんということで、ストーリーとエロが両立した作品を期待することでしょう。
結論から言うと、本作はその期待にも応えることができたかと思います。


ストーリーの大まかな流れは、序盤は村の風習を味わうのがメインで、後半はその風習の由来など、村の真相に迫っていく~という感じになりますね。
すごく簡単にいうと、
やばい村に入り込んだ主人公の運命やいかに!?って感じですね。
どう書いていこうか悩んだんですけど、
まぁストーリーと同じ流れで書いていこうかなと。

まず序盤ですが、正直なところ、進めていくにつれて退屈度が上がっていきました。
序盤は非常にきれいなグラフィックから始まることで、プレイヤーを作品の雰囲気に呑ませることに成功しています。
それにより舞台に対する没入度が非常に高く、
プレイしていて非常にワクワクしましたね。

そこから20年に1度の祭りに向けて進んでいくわけですが、
思った以上にエロシーンや舞台の設定が普通だった…
本作の舞台となる村は、女性の地位が低く、
極端にいうとやりほーだいな風習があります。
そういう実態を知っていく主人公はこの村やべえよと思ったりします。

まぁ実際こんな村があったらやばいよねーと私も思いつつも、
エロシーンが普通の凌辱ばっかりだったりで、
ある程度エロゲをやっている人からしたら、
そこまでやばいか?って思ったりもするんですよね。
この村が実在したらやばいかもしれないけれど、
エロゲ内ではこのくらいならそこまでやばくないよね、って感じでしょうか。
作品全体でもエロシーンは輪姦や乱交が多数を占めており、属性の少なさが気になりました。

また、本作はアヘ顔や卑語が非常に多いです。
そのせいで余計に本作の舞台が創作上にしか存在しない、
架空なものであることを強調してしまったかと思います。

うーん、私は伝奇についてそんなに詳しくないのですが、
伝奇ってリアリティっぽさがあったほうが良いと思うんですよね。
本作はアヘ顔や卑語が多いせいで、
ああ結局はエロゲの舞台なんだなと嫌でも感じさせられてしまいました。
そんな感じで、序盤に雰囲気が良いと感じつつも、エロシーンを重ねていくにつれて、
序盤に感じた雰囲気が崩れていき、退屈と感じてしまったわけです。


話は変わり後半ですが、ここは素直に面白かったですね。
ここにきて前半の描写が活きてきたなという感じでしょうか。
過去編の描写は見事でしたね、
そういう行動取ったらまぁそうなるよな~って感じで、
段々と今の村になっていく様の流れは良かったです。
ただ、こういったストーリー重視の作品において、
最後のルートもマルチエンディングってのはパンチ力に欠けるなという印象を受けました。
ここまで積み重ねたのだから、ライターが思う最後をひとつだけ書けばいい、
そっちのほうがストーリーの重さも出ると思うんですよね。

あと注意してほしいのが、このゲームのストーリーはキャラクターに従属したようなものではないというところですかね。
一応、主人公のストーリーではあると思うのですが、
本作の道中において主人公は能動的に行動をしようとしますが、
結局村の風習に巻き込まれ~と、能動性を実感しにくいので、主人公の話と感じにくいです。
主人公は大学で民俗学を研究していたらしいので、
フィールドワークでこの村の謎に迫る…とかいうお話でも良かったと思うんですけどね。
序盤はヒロインごとのルートがあるのでヒロインに従属した要素があり、
後半はどちらかといえば主人公といった感じでしょうか。
けれども全体としてみると、村自体がメインに添えられていると思います。
そのため、ヒロインに従属した物語と捉えると、
やれ稀世良のエロの種類が足りないだとか、BBA削れやとか、そういう印象を抱く恐れがあります。
そのため、もしプレイするのであれば、そういった先入観を持たずにプレイしたほうが最終的には楽しめるかもしれません。



トータルでは結構面白い作品でした。興味がある人はプレイして損はないと思います。
けれども細かいところを見るとちょっと微妙に感じる部分があり、そこが残念でしたね。