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2012, 12, 21 / WIN / ノベルタイプADV / minori


輝きに、手をのばせ。



【あらすじ】
7月のある日。 山道を走るバスの車中。
遠野森羅(とおの しんら)とその妹・遠野恋(とおの れん)は、
不機嫌に言葉を交わしていた。
「また、余計な首を突っ込んだりしないでよね」
「あぁ」
兄妹は、他人の “痛み” を自分に移すという力を持っていた。
幼少の頃に身寄りをなくし、その力ゆえに他人に利用され続けてきた兄妹。
彼らは、親戚の家を転々とするものの、
どこにいても力のことを周囲に知られてしまい、結局、居場所を失い続けていた。
「今度こそ気をつけてよ」 という妹の剣呑な言葉に、
「わかっている」 と生返事をする森羅。
「もう、聞いてるの?」
“痛み” を癒すことも出来ず、自分に移すだけの役立たずの力。
しかし、その力にはなにか意味があるはずだと森羅は考えていた。

バスを乗り継いで着いた場所は、遠縁の親戚が暮らす天領村(てんりょうむら)。
三方を山に囲まれ、ひまわりの咲き誇る山村だった。
初めて顔を合わせる遠縁の少女・皆川翠(みなかわ すい)に出迎えられ、
翌日から通うことになる学園に案内される。
過疎化の進んでいる村では、複数の学年が1つのクラスで授業を受けることになるらしい。
読者家の少女・菱田あやめ(ひしだ あやめ)や、
天使のような微笑みを浮かべる沢渡透香(さわたり とうか)との出会い。

村の相談役である翠の父親の薦めで、遠野兄妹は村の神社の社務所で暮らすことになる。
管理する人間がしばらくいなかったこともあり、若い労働力を期待されてのこと――
同時に、部外者を遠ざけ観察するための処置だったのだろう。
だが、人と接触すると “痛み” を移されてしまう兄妹には、逆に都合のよいことだった。

風鈴、向日葵畑、望楼のある高台。 夏の山村に流れる穏やかな時間。
そんな中、机を並べる少女たちが、それぞれ “痛み” を抱えていることを知る。
遠縁の少女・翠は、足に怪我を。
読書家の少女・あやめは、交通事故による両親の死という心の傷を。
実の妹である恋は、他者への不信、兄である森羅への依存を抱えていた。
とりわけ、天使のような微笑みを浮かべる透香という少女は、
森羅にとって異質な存在だった。
触れるだけで猛烈な “痛み” が走り、ドス黒い何かが流れ込む。

それぞれの “痛み” を胸に。 愛と犠牲が紡ぐ絆の物語が、そのはじまりを告げる――。







【感想】
天使の日曜日等細かいのを除いたら、minori久々の完全新作18禁ノベルゲームですね。
といってもいつものminoriでしたで終わってしまうのですが。

相変わらずグラフィック関連や演出辺りは他作品より一歩抜きんでている印象。
優れたポイントであることは間違いないでしょう。
さらに、今回は18禁ということでエロシーンもあります。
その際に下着の差分など細かいところまで気を使っていてよかったと思います。

演出面についてですが、立ち絵以外にもCGで目パチ口パチがあります。
また、立ち絵の時もある程度空間を意識した演出になっており、
遠近や振り向きなど頑張っていましたね。
ココらへんはやれているメーカーが少ないので+になるのでしょう。

しかし、なんていうのかな
例えばこのシーン。
イメージ272
このCGは本作の中で一番印象に残っているCGです。
画像なので目パチはわかりませんが、
グラフィックが綺麗なのはひと目でわかるかと思います。
こういったシーンが映像や現実であった場合、
風が吹いていたり日差しがあったりしたりするかと思います。
けど、背景は全く動くことなく目と口しか動かないんですよね
それがなんか作られた感じがしてちょっと冷めてしまうんですよね。
動かなものを無理やり動かしているという感じでしょうか…
これだけ綺麗な背景が強調されるCGであれば、
その辺を意識した演出をしたほうが、より効果的なのではないでしょうか。

また、エロシーンでも口と目しか動きません。
エロシーンは動的なシーンですので、より不自然さが目立ちます。
ココらへんは昔から変わらないなぁと、
2012年ですとアニメーションで動かすのなんて余裕でしょうに。

あとは登下校、或いは一緒に歩くシーンでは横にならんだCGと背景が動いて一緒に移動しているかのようなシーンがありましたが、このシーンははたしてそれだけの力を入れる場面なのでしょうか。
本作は萌えゲーよりもストーリー重視の作品かと思われます。
萌えゲーですと日々の積み重ね、つまりこういった何気ない日常に力を入れるべきですが、
本作ではどちらかと言えばストーリー重視です。
ならば、ストーリーが盛り上がる場面でそういった技術を用いるべきではないでしょうか。

また、今まで言及してきた演出は、極限まで持っていけばアニメと大差無いのも注意が必要ですね。
このままだと劣化アニメと言われてもしょうがないのでは。
まぁ何もしない作品よりは圧倒的にましでしょうが。



【ストーリーについて】
なにやら特別な設定がありますが、雰囲気を作り上げ、ドラマティックにするための設定といった感じですので、その設定から織りなされるストーリーを期待すると拍子抜けするので注意。

先ほど本作をストーリー重視言いましたが、厳密にはちょっと異なりまして、
優れたグラフィック、ちょっと特別な設定から織りなされる雰囲気重視の作品といった感じでしょうか。
その雰囲気に酔ったままだととても楽しめるかと思います。
しかし、冷めてしまうとなんだこの展開、B級やんけと気付いてしまう恐れが有るので、
雰囲気を味わいながらプレイしたほうが最後まで楽しめるかと思います。

なので、設定に対して細かい理由などを求める人には合わない作品でしょうね。
個人的には本作に限っては別に大して重要でないと思っているので、
特に気にはならなかったですね。



【総合】
まぁグラフィック綺麗ですし、普通に楽しめましたね。
あとは恋ちゃんがかなりのツボでしてね。
うーん、今まで妹キャラで萌えたことってあったっけな?
ってレベルで妹に興味なかったのですが、これはキましたね。
なんか悔しかったですw

EDはキャラ別に曲が用意されてて豪華でしたし(そのくせ一曲も覚えてませんが)
とりあえず良作といったところでしょうか。


総合評価:B (良作)