468ff5df.jpg

「時計仕掛けのレイライン 朝霧に散る花」
2015, 1, 30 / WIN / ノベル / UNiSONSHIFT:Blossom

ずっと探してる。 境界線の向こうの、きみを――
【感想】
さて、本作は三部作となっております。
前作をプレイしていないと流れが分からないので、前作からプレイすることをお勧めします。
一応、前作のおさらいみたいなものがありますが、これは前作をプレイした人が思い出すようなものとなっておりますので…

本作は三部作でライターに西ノ宮さんがいるんですね。
それで何を思い出すかといったらもちろん『ミッシングパーツ』シリーズですよね。

『ミッシングパーツ』は見事でした。ばらまかれた伏線を回収する鮮やかさがとても素晴らしかったですね。キャラクターも魅力的なかたが多かったですし。

というわけで、『ミッシングパーツ』シリーズの素晴らしさを体験していたらその伏線の見事さ、キャラクターに期待がかかるかと思います。

で、結論から言うと微妙でした。
決して悪くはないんです。
しかし、ミッシングパーツ(MP)のあれを体験していると本作は張られる伏線を回収した際の衝撃が少ないのですよ。
なんだろうな~、これは言葉にしにくいのだけれども、どうにも都合がいいんですよね。
前半とかの謎が後半になるにつれてこういう訳でがあってこうだったんだよ~ってわかっていくのですが、どうもここが個人的に気に食わなかったのかな。
というか、謎の原因たる部分がダメだったといった方が良いのかもしれない。
あんまり具体的に言ってしまうとネタバレになってしまうかもしれないのでぼかしますが、ぱっと出てきたキャラクターが実は~みたいなのはなんというか、なえてしまいます。
たぶんここが楽しめなかった原因なんだろうなぁ。(あとから気づいたのですが、本作の企画は西ノ宮さんではないようで、なのでちょっと注意)

というかですね、過去に原因があり~といった作品では、その過去の描写が大切なのです。
その手の作品の名作といわれると、私は『カタハネ』や『ひまわり』やちょっとネタバレになるので言えない作品、などが浮かびます。
これらの作品をプレイしたことがある人なら分かると思いますが、挙げた作品は過去の描写が非常に上手いですし、キャラクターが生き生きと描かれているため、キャラとして確立されており、過去の『物語』となっているのです。なので過去にこういうことがあって~現在~の流れになった時に感動できるし、面白いと思うのです。
ところが本作では過去の描写は全画面の表示されるテキストのみで、立ち絵やCGなどがありません。さらに途切れ途切れで描写されるため、過去の『事象』を見ているに過ぎないんですね。これが本作で一番ダメなところなのではないかなと思います。
言ってしまえば伏線や謎に囚われすぎだったのではないかなと思いました。

でも、ここ数年でいわれている伏線がすごい作品に比べると本作はしっかりとした伏線が張られていますし、そういった意味では本作は優れていると思います。

でも伏線が張られるストーリ―展開がですね…
最初は楽しかったのですけれど、結局はにたようなドタバタ劇を何回も見せられるだけでしたし、ちょっと後半に飽きが来ましたね。


ここらへんがMPシリーズと比べると弱かったのでしょう。
さて、これ以上比較してもあれなので、本作のみの評価をしていきましょう。

ストーリーについては先ほど述べたとおり、ここ数年ではよくできた作品であり、設定はオリジナリティがあふれ、しっかりとした伏線が張られており、完成度は高いのかと思われます。
また、本シリーズは個別シナリオなるものが所々でありますが、あってないようなものなのでこれは分離した方がよかったんじゃないかなと。
メインの話一本だけに絞り、アナザーなりFDなりで分離した方が整っていたかもしれませんね。
朝霧では完全に分離してましたが、全部やったほうがよかったのではないかと。


総合
キャラクターについてはかなりよかったですね。これは三部作ならではの利点なのではないかなと。
CGもBGMもシステムも一定水準以上の作品でしたし、全体的にレベルの高い作品なのかなとは思います。
しかしな~期待しすぎたとでもいうのでしょうか、MPシリーズ並のストーリーを求めちゃうと拍子抜けしちゃうんですよね。
で、私は拍子抜けしてしまったと。ああ~こんなもんか、MPに比べると~って思っちゃうんですよね。

なので、MPシリーズをプレイ済みの方から見たら佳作程度、プレイしたことない人からしたら名作ないし良作になるのかな、と感じましたね。


総合評価;B (良作)