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「オタサーの姫に告られた結果wwwww」

2015, 4, 24 / WIN / ADV / ハースニール

汚らわしい、純愛。


【感想】
本作を購入した動機としては、設定面に惹かれたから、というのが主だった理由でしょうか。
オタサーの姫を取り巻く環境で人間のゲスさが見れればまぁいいなぁといった感じで。

さて、結果から言うと思ってたより悪くないような気がしました。
最初から最後まである程度楽しめましたし
CGは一枚一枚良くできてました。差分もあり、一枚を最大限に扱おうという努力が感じられました。
でも、ちょっと枚数が少ないかなと感じました。
まぁこういった可愛らしい絵のダーク系の作品っていうのは商業ではあまりなく比較的尖ったような、同人ぽい作品なのでありがたられるようなものだと思います。
そういう意味では希少な作品なのかもしれませんね。

で、中身も伴っていればよかったんですがね…
まずストーリーについて
本作のストーリーはちょっと微妙だったかなぁと。
ストーリーというより、キャラ造形だったのかな。
主人公は別によかったのだけれども、ヒロインがダメダメでした。
何かしらの理由があって主人公らに従っているのかと思ったら、ただの変態でしたって、あほかと…
ヒロインがちやほやされることになにかしらの哲学や信念を持って行動していたら良かったのですが、そういう性癖等で片づけられて個人的には非常にがっかりでした。
他のキャラクターもそうなのですけれど、取ってつけたような不幸属性や病んでる属性で見てて冷めるんですよね。
主人公みたいに徹底的にこじらせていれば非常に面白くなると思うのですが…
ていうか、主人公はあんなにこじられているのだから、 もうちょっと頑張ってほしかったですね。
首輪させるくらいなんだから、室内で犬のように飼育したりするのかなとか思ったのですが、そういうのがなくてほんのり残念でした。
まぁストーリーの流れやキャラクターにががっかりだったというだけで、個々のシーンは悪くないのですよ。
エロシーンなんて声優すげえな~って思うところもありましたし、良かったです。
思えば、これ、前と似たようなこと思ったなぁと。
というのも、本作のライターが「ゆにっとちーず」という同人サークルで活躍されている山野さんなんですね。
私はそのサークルの作品である「パコられ」をプレイした時に似たようなことを感じたんですね。
ストーリーはだめだけどシーンはいいって。あと声優もすごかったっけな。
本作のプロットを山野さんがしたかはわかりませんが、前作から進歩が無くてちょっとがっかりでした。

システムなどゲームデザインですが、次に本作には裏アカばれシステムというのが存在します。
個人的にはこれがひどくダメだよなと。
まず、このシステムが解放されるのは二週目からです。まずこれに意味を感じられませんでした。
裏アカシステムはヒロインの本音などをツイッター形式で盗み見ることができるのですが、ヒロインの本音なんて通常に進めていけば分かるのです。
一週目を経てヒロインはこんな腹黒キャラですよと既に知っているのに、わざわざ二週目に裏アカシステムを使って「へぇーヒロインてこんなこと考えてたんだ~」なんて、なるわけないです。
一週目から解放されているならともかく、二週目から解放されても、わざわざスキップを止めて逐一見ていくのはあほらしかったです。
まぁ、ストーリーで飛ばされた月日にヒロインが何を思っていたのかが見れるからそういう意味では悪くないのかもしれませんが、それなら普通にストーリーに入れても変わりませんからね。

また、サブキャラの手記も同様に二週目で解禁され見ることができるのですが、これ必要あるのか?っておもいました。
先ほどもいいましたが、取ってつけたような不幸設定とでもいいますか、重さが無いんですよ。
サブキャラにはこういう過去と考えがあって~っていわれても、それに基づいた行動を取らないと重さを感じることができません。
本作ではへぇ~そんな過去があるんだぁ~ぶっちゃけどうでもいいよな、としか思えませんでした。
ということで、二週目に解禁されるシステムには全くと言っていいほど存在意義が感じられませんでした。
でも、単なるノベルゲームではなく、何かしらの演出を入れようとした姿勢は評価したいですね。




総評としてはギリギリ佳作のつもりでしたが、冷静に考えてみると凡作かなと。
色々と惜しい作品ではありましたね。

評価 D (佳作)