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「Figure~奪われた放課後~」

1995,7, 25 / PC-98 / コマンド選択型ADV / シルキーズ


プライドを捨てた時から、僕は独りになってゆく…




【あらすじ】

「女の子、調達してもらうよ」
先輩は薄笑いを浮かべて、僕に名門女学園講師の仮面をくれた。
この花月女学園に来て3ヵ月、僕は放課後の学園内をうろつく。
ビデオに出演し、肢体をさらす女生徒を求めて…
レンズが捉えた放課後の真実が、僕を狂気に走らせる。


【感想】
本作はノベルタイプのADVで、ストーリーのジャンルは分類すると鬱ゲータイプのものになります。



あらすじは簡単にいうと主人公の三島は、大学の先輩である御曹司の清水から、
学生のAVを撮影したいから女を調達して来いと依頼されます。
女を調達するため、主人公は非常勤の講師として名門女子高へと潜入して…というものになります。

主人公は好きで先輩の命令に従っているわけではなく、しぶしぶ従っているという感じなのですが、
かといってその先輩と縁を切って自立して頑張る、ということもできずにずーーっとイジイジイジジジジジし続けます。
その描写を挟みつつ、女を調達していく~ってのが話の流れですね。

ストーリー自体は割と普通で、女の子とコミュニケーションをとりつつ、
安心感を持たせた後にヒロインをお持ち帰り→その部屋で撮影(主人公は参加しない)のパターンが続く、寝取らせみたいな感じですね。

そんな本作の特長は陰鬱な主人公の心理描写にあります。
本作は主人公がとにかく陰鬱としており、その描写が延々と続いていきます
私はそれほど鬱ゲーをやらないのですが、巷で鬱ゲーと言われている作品で鬱になったことがそんなにないのです。
ああでも、マンガになりますけど四丁目の夕日とかは普通にへこみましたっけ。
でも本作は違いました。
いやー結構鬱になるっていうか、気が滅入る感じですね。
よく暗い人といるとこっちにも伝染るわみたいな話がありますけど、まさにそんな感じです。

傍から見れば主人公がヘタレてるだけじゃんって思うのですが、
嫌々ながらも能動的に行動している点がその気を相殺してきます、
ここらへんは結構絶妙な感じでしたね。
先輩は主人公にどういう手段で女を連れてこいとか具体的な命令はしていないく、
極端なことを言えば調達係は主人公じゃなくてもいいと思ってますからね。
そういう態度で突き放す一方、主人公はその縁を断ち切れず、そのために行動する…


鬱ゲーと言われると主人公やヒロインらに悲劇的な出来事が発生し~というイメージがあると思いますが、
本作はそうではなく、主人公が能動的なんですよね。
加えて鬱になる要因が外的要因による出来事ではなく、主人公の心理描写という内的要因ですからね。
作品としてもちょっと珍しいタイプなのかもしれませんね。


加えて、本作はテキストの表現方法にも工夫を入れていたのかなと。
作中で日にちが経過してて、翌日になると独白がヴィジュアルノベル形式で下から上にスライドしてきますし、
キャラクターと会話しているとき、主人公の心理が別枠で表示されてきたりします。
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こういう細かいテキストの表現による演出はよかったですね。


ストーリーやシナリオ、テキストの表現・演出方法が良い作品でした。
昔の鬱ゲーに興味がある人はやってみてはいかがでしょうか。