c891222package

「幕末 尽忠報国烈士伝MIBURO」

2017,12, 22 / Win / ノベル / インレ


一度きりの人生 派手に暴れて見事、散ってやろうじゃねぇか!




【あらすじ】
時は動乱の幕末。
古より伝わる不思議な力……。

その不思議な力は国が安危とき、何者かに宿るという。
その力を持つ者は相手の弱点を読み取ることが出来、一陣の風のもとに相手を亡き者に出来る。
言い伝えでは敵の弱点を読み取る際、小さな光……ときには紅蓮の炎が浮かび上がるという。
総じて、その光を “玉” と呼んだ……。
黒船襲来から十年、日本は未曾有の危機に瀕していた。

政治の中心は江戸から京都に移りつつあり、その京都は天誅の名の下、無法地帯と化していた。
その無法地帯を取り締まるのが近藤勇率いる壬生の狼と呼ばれた 『壬生浪士組』(後の新撰組)。

そんな勇たちに助けられた主人公・見田健。
倒幕へと傾く時代の中、個性あふれる新撰組の面々とともに京の町を守るが……。




【まえがき】
2010年代も残すところあと2年となりました。
ところで、2010年代に登場し、活躍・或いは注目されたシナリオライターといえば誰になるのでしょうか。
様々な方がいると思いますが、ぱっと思いつく限りですと
HARUKAZEのはと氏、ウグイスカグラのルクル氏、そしてインレの葉山こよーてあたりは挙げられそうですよね。
これらのライターは同人で下積みをしてきており、奇しくも全員2013年に商業デビューをはたしています。
(厳密にいうのであれば、はと氏は2013年以前に仕事をしていますが、メインとなるブランドが2013年にデビューしているため、2013デビューということにしています。
ついでにくそどうでもいいような話になるのですが、2013年あたりにエロゲ関係で私と交流のあったひとたちが段々エロゲをプレイしなくなり、新たな人たちが活動的になったのが2013~2014だったりします。
そういうこともあってか、個人的に2013年付近はエロゲの世代交代のようなものがあったんじゃないかなとか思ったり。)



さて、私は上記のライターらの作品をちまちまプレイしていますが、実は葉山こよーて(というかインレ)氏の作品だけは一つもやったことがなかったりします。
その理由は単純で、同人時代の焼き直しのような作品しか発売してこなかったからなんですよね。
私はオリジナル主義なため、リメイク作品等はあまりやる気にはなれません。それゆえ、今までインレの作品に触れることはありませんでした。
しかし本作にしてついにリメイクじゃない作品が出るということで、いい機会だから触れてみようということでプレイをしてみました。



【感想】
さて、本作はあらすじを見ればわかるとは思いますが、幕末の動乱を新選組視点で追っていく歴史モノになります。
「玉」というオリジナル要素はあるけれども、それが本編に大きな影響を与えることはありません。
それゆえ、本作は新選組を中心として幕末の動乱の史実通りに進んでいきます。
一応サブエピソードで分岐する要素はありますが、それも新選組のメンバーの史実に沿うような形となっているため、全体ではオリジナル要素は非常に薄いといえるでしょう。

私は教養もさほどないうえ理系ということもあり、日本史とか何年ぶりだよ~っそういやこんな出来事あったよな~とかなんだか懐かしい気持ちでプレイしました。
加えて新選組に対する知識も皆無なものですから、単純に史実を追うだけの本作でも楽しめてプレイできました。
けれども思ったんですよね、この楽しさはMIBUROから由来するものなのだろうか、ただ単に幕末の動乱が面白いだけなのでは?と。

実際、上記の通り本作は史実がメインの一本道になっているため、ストーリーにオリジナル要素はほぼ皆無です。
そのためストーリーに高い評価を下すことは難しいでしょう。
まぁ史実を中心とした作品なんてほかにもありますからこれだけであーだこーだいうのもあれでしょう。
と、なると本作に残されている他メディアと差別化を図れる要因っているのは「アダルト」と「ゲーム」の二点になると思います。

まずアダルトに関してですが、歴史の偉人が女体化しており、そのキャラクターとのエロシーンがあります。
エロシーンは濃いわけでもなく純愛シーンのみ。
また、ヒロインとお風呂に入るシーンが多く、その際ヒロインの立ち絵は裸とちょっとしたお色気要素があるくらいでしょうか。

歴史の偉人の女体化という点は今時珍しくもないでしょう。エロシーンも特別良かったというわけでもないですし、可もなく不可もなくという感じでしょうか。
生と死の隣りあわせな作品なんだから凌辱とかあってもいいと思いますけどね。


次にゲームの要素になりますが、本作はノベル系のADVです。
他メディア・ジャンルと比べた際のノベル系の優位点としてぱっと思いつくのは群像劇によるマルチサイト・選択肢等による分岐とかでしょうか。
こういった要素があれば良かったのですが、本作は新選組視点で固定されているためそれほど群像劇要素はなく、ほぼ一本道なため分岐もないです。
演出はまぁ悪くないのかなと。私はあまり燃えゲーとかやらないのであまり詳しくないのだけれど、本作は戦闘シーンで立ち絵が良く動いていたなと思います。
最近のバトルシーンってどれもこんな感じなんですかね?バトルモノ(燃えゲー)とかあまり好きじゃないけれど、ちょっとやろうかな~
そういうこともあり、バトルシーンは飽きることなく読み進めることができました。

また、本作は豆知識というカテゴリがあり、キャラクターのボイス付きで幕末の豆知識を教えてくれます。
こういうところは細かくてよかったですね。
これらの点を総括しても、ノベルゲームというデザインの観点からはちょっとマイナスという感じでしょうか。



以上が本作の概要でしょうか。
まぁぶっちゃけ個人的には楽しめたしやりたい人はやればって感じなのだけれど、それは新選組とか幕末の知識が薄い人に対してであり、
逆に詳しい人とかにはおすすめできないんですよね。本作じゃないと得られない要素というものが皆無だから。
本作は新選組のことを知る入門とかとしては良いのかもしれないけれど、
それが =「幕末 尽忠報国烈士伝MIBURO」として良い。とは言えない感じでしょうか。
ていうかこれギャルゲーとかのほうが良いんじゃない?若い人に幕末に興味を持ってもらえますよ。


総合では佳作とかでもいいのかもしれません。
けれど歴史や童話など、モチーフがあるエロゲ作品って作品特有のオリジナリティ要素を見出そうと創意工夫してるものもあるわけです。
そういった作品があるなか女体化しただけでオリジナリティがあまりない本作に普通の評価を下す、というのは他のクリエイタ―に対してなんか申し訳ないよなとか思うわけで。
相当厳しいとは思いますが凡作相当という扱いにしたいと思います。

うーん、なんだかこのままですとこのメーカーの歴史モノはもうやりませんし、いずれ出るかもしれない(出るのか?)完全新作以外は興味なくなっちゃいましたね。