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「ことのは・アムリラート」

2017,8, 25 / Win / ノベル / SukeraSparo







【感想】
まぁ、コンセプト的にはありなのかもしれませんね。
本作はノベルタイプのADVで全年齢の百合ゲーです。
大きな特徴といえばユリアーモという特殊な言語が作中で用いられている点でしょうね。

本作は序盤で主人公が地元の街並みに似た異世界へとワープしてしまいます。
その世界ではユリアーモという言葉が使われており、困惑する主人公…
そこで出会うヒロインのルカ、ルカはカタコトで日本語が使えるため主人公へとコミュニケーションを取ろうとしてきます。
そしてふたりは異なる言語を互いに学びつつ意思を伝えていく~って感じの作品ですね。


私は百合にとって一番大事なのはプラトニックさだと思っています。
肉体的な結びつきではなくて精神的なつながりこそが百合にとって重要だよねと。

そういう意味ではユリアーモの設定はとても良かったように思えます。
自分の知らない世界に巻き込まれて精神的に孤立しているという描写が冴えていきますし、
言語を学習し、それで自分の気持ちを伝えるってとっても素敵なことだと思いますから。
極論ですけどレズだったらボディランゲージでもニュアンスを伝えることはできますが、プラトニック的な方面からはそういうのは難しいんじゃないかな?
なので言語と百合の相性っていうのは案外いいのかもしれませんね。


問題があるとすればそれはゲームのトータル的なデザインとなるのでしょう。
本作は作中にユリアーモを勉強するシーンがけっこうあるのですが、これがけっこう真面目な勉強なんですよね。
単語程度ならまぁなんとなくで覚えられるからまだいいけど、構文やらと段々ガチになっていくと…ね。
加えて覚えていかないとヒロインたちのしゃべる言葉もなかなか理解できないものだから手を抜きにくいですし、なんだかゲーム楽しんでんだか勉強してんだかわからなくなってきちゃいましたねw
一応勉強パートはクイズ形式になっており、設定によってはクイズをスキップという名の宿題にできるので勉強自体は飛ばすことはできます。
しかし、宿題をさぼると…ってねw
勉強シーンの描写ではヒロインがけっこう真面目に教えてくるし、クイズ形式の問題ということでなんだかなんちゃらゼミをやっている気分でしたね。
あ、あと作中で体の部位についての単語を教えるシーンがあるのですが、そのシーンはヒロインの体をクリックして部位を覚えていきます。
このシーンはよかったですね。

ストーリー自体は可もなく不可もなくという感じですかね。
まじめに勉強したらしたらでストーリーのテンポロスが激しく、加えてプレイ時間の半分くらいが勉強になってしまうのでストーリーってなんだっけ?ってなりかねないのが問題ですかね。


総じて、なんだかもったいない作品だったなという印象でした。
ユリアーモ自体の設定はよかったのですが、それをどうゲーム的に表現するのか、この点があんまりよくなかったですね。
個人的にはもっと簡略化してもよかったんじゃないかなーと思うんですけどね。
作中で得られた情報から推測して言語を習得する~みたいなことをプレイヤーにやらせれば、
言語に対して「覚える」ではなく「考えさせる」という感覚をプレイヤーに与えることができ、より一層楽しめたりしたのかなとか思ったり。

J-MENTさんはクオリアシリーズでも、ゲームデザイン面で普通のノベルタイプとは異なるような試みをちまちま入れていました。
今作もその片鱗が見えており、私個人としてはいろいろ試している姿勢が非常に好印象です。
今後の作品でもいろいろ試してほしいですね。