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「新妻LOVELY×CATION」

2017, 4, 28 / Win / ノベル / hibiki works

恋人から夫婦まで。この初恋は終わらない──



【あらすじ】
 ストーリー
春、夏、秋、冬―― 四季折々の季節が美しい桜木市で、社会人 1年目を終えたあなた。
新しい生活にも慣れて順風満帆…… と思いきや、親しい友人の結婚を機に 不意に感じてしまう。
「自分もいつか、結婚するのかな?」
そしてそれは、“いつか”ではなく、日々過ぎていく“毎日”の行動で得るものだと気がつく。
一念発起したあなたは忙しい毎日を送りながらも、やがて女の子と恋をして、愛を積み重ねる。
そして、その先の“幸せ”に向けて歩き出すのだった――




【ひとこと】
文房具メーカー勤務の若手社員でなかなか立派なところに住んでて周りに美人で恋人いない女性がたくさんいるとかありえねーーー
本作は『LOVELY×CATION』シリーズのひとつになります。
これまでのシリーズのコンセプトが『恋愛』なのだとしたら、本作はその先まで行く『新婚』がコンセプトといえるでしょう。
この時点で従来のシリーズのものと比べて目新しさがあるといえるかもしれませんね。
原画も唯々月たすく氏に戻りましたし、最近の『×CATION』はなぁ…という方はプレイしても損はないかもしれませんね。



【ゲームシステム】
ゲームシステムは従来の『×CATION』シリーズと大きな変化はありません。
基本的にはノベル形式ですが、マップ移動が存在し、その際にアイテムを選択することでアイテムを得ることができ、
同時に体力や器用さなどといったステータスが上がっていきます。
このステータスやアイテムの有無によってエロシーンが少し変化したり、新たなエロシーンが見ることができたりします。
エンディングはひとつしかなく、選択肢やステータスによる分岐はありません。
そのため、プレイしている間隔としてはノベルが強く、数値で表示されるおまけでSLGといった感じでしょうか。
ヒロインとの馴れ初めである”初恋編”においては基本的にはマップ移動で主人公のステータスを上げていくだけ、ということでこのシステムは形骸化していました。

また、今回はヒロインと結婚し、新婚生活を送る”新妻編”があります。
このときも大体は上記のとおりとなっています。
新たに出てくる選択肢、家で過ごす、を選択するとヒロインとの何気ない日常を体験でき、寝室に行くとエロシーンが選択できます。
エロシーンはステータスやアイテム、イベントのフラグなどで開放されていきます。
運がいいと一周で全部見れたりしますが、ちょっとむずかしいんですかね?私がプレイしたときは1ヒロインだけオールクリアできました。
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新婚生活をノベルで読ませるだけではなく、このようにヒロインとエッチしたり、
外に出て遊びに出かけたり、家でまったりしたりとプレイヤーの意思を反映させるようなシステム自体には私は好印象でした。
前回の作品では完全に形骸化していましたからね、こういった原点に帰りつつも新たな要素を織り交ぜたことは評価に値するんじゃないかなと思います。
ただまぁ、これは私だけかもしれませんが、エロシーンが結構エロくて全部見たくなっちゃうんですよね。
そうなるとステータスとアイテム集めばっかりに意識がいってしまい、新婚生活の雰囲気を味わうという方向に意識が向きにくかったです。
それはただ単にお前が嫁とスケベなことばっかしたい屑なだけやろと言われたらそれまでですが、
「家で過ごす」の選択肢にも大きな役割をもたせたほうがトータル的にはプレイヤーがヒロインとしたいことを好きに選べたんじゃないかなと思いました。

また、作品内では新婚生活一年目をプレイすることとなります。
これにより四季折々のイベントを見ることができるのは良いと思いますが、その分やはり密度が低くなりますね。
一緒に出かけた際のイベントなどが時間経過とともに減っていくのがとても悲しかったですね。これが倦怠期なのか…


【ストーリー】
ストーリーはあってないような感じで、ヒロインによっては結婚を認めてもらうお話だったり、お菓子屋さんを頑張るお話だったりします。
良かったって言うと変な感じですが、特に作品のコンセプトを阻害することなく、かつつまらなくもないある程度役割を果たした感じでしたかね。
個人的には乃々シナリオが結構好みっていうか、夫婦で協力して夢を叶えていくストーリーは非常に良かったと思います。
思ってみれば、結婚を認めさせるお話ってありきたりですけれど、ヒロインと協力して夢をかなえるストーリーってあんまりないですよね。
本作はそれに加えて夫婦という中までステップアップして、いわば運命共同体という状況でこういうお話ってのは設定とシナジーがあるストーリーで良いのではないでしょか。
本作の設定を活かした良いストーリーだったと思います。
お嫁さんとお菓子屋さんを経営するっていうのは、結構男の夢?なのかもしれませんね。

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【グラフィック】
唯々月たすく先生の描く絵は可愛いしエロいし最高ですね。
こういった頭身のある可愛らしいキャラクターを描ける人ってあまり多くないので、本当に貴重な原画家さんだと思います。
エロシーンはコスプレというか、様々な服でのエロが多く個人的にはよきかなよきかなという感じでした。
いろんなシチュエーションのエロを楽しめるゲームとしても良いと思います。
さて、本作では立ち絵のみにE-moteが使用されています。
私はE-moteに対して基本的に+で捉えることが多く、本作も例外ではありません。
動き自体も大げさに動くことなく、自然な感じでよかったです。
これでエロシーンも動いてくれればよかったんですけどね。
ていうか使われてるのかと思ったら使われてなくてちょっとがっかりしました。


【バグ】
総合を書こうとしたら何か忘れてるなと思ったらバグについてでした。
私はバグについてはそれほど怒ることもありませんし、バグだらけだから大きく減点することもありません。
まぁバグなんて無い方が良いに決まっているのですが。
なのでプレイしてパッチ無しでやっててもあんまり不快に思うことがなかったんですよね。
でもね、初期化だけはやっちゃいけないと思います。
ノベルゲームのクリア基準として全てを既読するだとかCG率100%だとかが存在すると思います。
それを無にするようなバグはちょっと良くないのかなと思います。プレイした履歴を消すわけですから。
この点だけはちょっといただけなかったかな。少しマイナスです。



【総合】
振り返ってみるとヒロインは可愛いしエロいし十分に良い作品だと思います。
バグが無かったら良作としてオススメできるのですが、どう判断するかな…
思えば、本作は作品の内容と関係なところで損をしまくってますね。
バグが多い上に、会社の偉い人はなんかアホなことして遊んでるし…
あんなことするならきちんと一つ一つの作品を仕上げてほしいんですよね。非常に不愉快でした。

まぁなんかあんまり褒める人も多くなさそうなので力作としておきます。
今ならパッチを当てれば普通に遊べますしね。




総合評価:B (良作)