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「アンジェラス ~悪魔の福音~」

1988, 7, -- / PC-88 / コマンド選択型ADV / ENIX




【感想】
ENIXのADV作品のなかで未だに人気のあるやつですね。
あらすじは西ドイツの建設会社がペルーでピラミッドなどを移転し、ダムを建設する作業をしていました。
ダムが完成し、無事式典を行っていたら突然、建設会社の副社長の全身が緑色に急変し、即死するという事件が発生しました。
これと同時刻、日本でも同様の事件が発生していた…
翌朝、事件のあらましを聞いた、本作の主人公であるブライアンは、急遽出張先からロンドンへ戻ることとなったのだが、
その飛行機のなかでも同様の事件に出くわしてしまう…
果たしてこの事件の謎とは…

とまあオカルティックな本作ですが、ストーリー自体は面白かったと思います。
考古学とオカルト要素が組み合わさったストーリーで、
様々なことが判明してくると同時に展開していくさまは単純にプレイしていて楽しかったですね。
ただまあ、本作は結がダメというか、続編ありきな終わり方になってるんですよね。
様々な事が判明してきてこっから盛り上がるぞーってところでエンディングですからね。
そして意味深なエンディング…
なんだかランス・クエストを思い出しましたよ。あれも終わりの終わりで盛り上がってそのまま終わったような…

システムはコマンド選択型のADV
ファンクションキーに割り振られている型です。
このシステム自体は普通だったのですが、本作のコンセプトとは噛み合ってなかったかなという印象。
というのも、まずメッセージスピードが遅いんですよね。
それにより同じコマンドを選ぶのが億劫になってしまいます。同じテキストをダラダラ見るのは良いとはいえませんでした。
また、どれを選べば進行するのかも分かりやすいとは言えませんでした。
そして、本作はストーリー重視の作品なんですよね。
ストーリー重視の作品ならばさくさくテンポよくストーリーが進んだほうがストーリーに集中できると思うのですよ。
本作のシステムはストーリーをテンポよく読ませるという点においていい方向に関与することはありませんでした。
それゆえ、システム自体は普通っていうかあまり良くなかったかな。

グラフィックはきれいでしたね。
緑色に変色して死に至る病のシーンはアニメーションときれいなグラフィックによって非常に迫力がありました。
キャラデザは土器手司さん。
私はさすがにその世代というわけではないのですが、ヒロインらは魅了的でしたね。
特にイザベルさんが儚い感じで良かったです。

BGMもある程度豪華でしたね。
サウンドボード2に対応していましたし、すぎやまこういちさんが手掛けただけあります。
けどBGMががないシーンがちらほらあるせいで、トータル的にはなんか寂しいシーンのほうが多かったような…


全体的にレベルの高い作品でした。
しかし、ストーリーが不完全燃焼という感じでしたので、満足度という観点ではちょっと下がる感じですね。
考古学とオカルトの組み合わさったストーリー自体は非常にお気に入りだったので、
続編ありきのオチじゃなかったらもっと良かったんですけどね。