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「衰弱作戦Ⅱ もえよどらごん」

1990, 8, 26 / PC-88 / コマンド選択型ADV / H・E・Osoftware



【商品概要】
199x年、夏休み。平和な浜松町に悪の影がしのびよる!
空手の名手にしてオカマの主人公、りえを襲う怪事件。
彼女(?)をとりまくヘンな人々が繰り広げるSFラブコメ活劇!

変化に富んだ美しいグラフィックが60枚以上
400字詰め原稿80枚を飽きさせないテキスト
選択式のかんたんプレイ
楽しい部分アニメーション&BGM
衰弱作戦2





【はじめに】
うーん、いったいなんなんでしょうね、このゲームは()
それはあの日、いつものように都内某所でレトロゲーを探し店を転々としていたときでした。
そのときにこのゲームを見つけたんですよね。
他のモノとはなんだか雰囲気が異なるパッケージだからつい手に取ってしまって。
初めて見るタイトルだからインターネットで作品名、ソフトハウス名で調べてみたけれどもまーったく引っかからない。
JANコードがないから同人ゲームか…?裏面のあらすじを見る限り面白そうなADVだけれども、得体の知れない作品を買うのもなんかなぁ…
と思いつつパッケージ表を見返してみるとあら可愛らしいヒロインがいるじゃありません。
イラストで気に入ったヒロインもいることだし、いっちょ自分がプレイして感想でもネットに残しますか!ということで購入し、プレイに至りました。
本作は衰弱作戦Ⅱということで、当然Ⅰがあります。
私はⅠをやったことがないのでよく分かりませんが、どうせやるのならⅠからやったほうが良いのでしょうね。
でも、続編というよりⅠからちょっと時間が過ぎた程度なので一応、話はコレ自体でも楽しめるようです。
あと、本作はPC-88SR以上が対応機種になっていますが、なぜか自分のFRだとプレイできませんでした。
うーんなんでだろ…?SR以降じゃなくて以上、つまり廉価版のFRはSR>FRってことで対応してないんですかね?w
確か『ザ・スキーム』とかも起動しないんですよね、こっちは対応していないだけなんですが…
これから88を買う人がいるとは思えませんが、買うならSR安定ですね。
しょうがないのでエミュレータでプレイすることとなりました。

【男の娘(?)】
さて、表紙から可愛らしいヒロイン、おもしろそうなキャラが並んでおり、
未知なる作品ということもありワクワクしながらやり始めた本作ですが、しょっぱなから思わぬ落とし穴が。
というのも、気に入ったヒロインがオカマでしたw。
Ⅰからやってれば当然分かるし、全く知らない人でも裏面のあらすじから恐らく察することができるのだけれども、
私はそのキャラをひと目見た瞬間から、可愛いヒロインだなと思ったわけです。
いやー思い込みって怖いですねw

で、まぁ~初っ端からりえちゃんがニューハーフですとか自己紹介しはじめてマジかよ~言うてお前可愛いやんけと複雑な気持ちを抱きながらやり始めるハメになりました。
Ⅰだとりえちゃんがニューハーフってのは登場前から分かってる感じなんですかね?
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さて、いきなりですが私は世間一般で言われている男の娘という存在があまり好きではありません。
(ここではニューハーフ=男の娘としています。どちらかにこだわりのある方にとっては=じゃねえだろって思うかもしれませんが、自分にとってはあまり強いこだわりもなく、≒だろと思うので)

それはなんでかっていうと、男の娘とカデゴライズされるキャラの大半がただの可愛らしい男性キャラにすぎないからなんですよね。
それは自分にとって男の娘じゃないんだよな~私にとっての男の娘ってのは、男と女の境界線上で揺らいでいるような中性的な男性キャラなんですよね。
具体的に言うと『サマーウォーズ』のカズマみたいなキャラですね。
あれを見たときは衝撃的だったなぁ~。今公式サイトのキャラクター欄を見たらひ孫って書いてあるので男って分かるけれども、
私は公式サイトなんて見ませんでしたからね。
映画見てるときにこいつ男…声的に女か?いやでも…とあのもやもやした感情は忘れられませんでしたね。
当時は男の娘なんていう単語を知らなかったのでねw

まぁそんなわけで自分にとっての男の娘っていうのはそういったキャラクターじゃないとダメなんですよね。
『バカテス』の秀吉だとか『俺ガイル』の戸塚はただの可愛い男としてしか見れないのです。
話がかなり逸れましたが、りえちゃんは私にとっても男の娘にカデゴライズされるキャラだったのですよ。
つまり好み のヒロインではなかったけれども、好みの男の娘だったわけでして。
思わぬ棚ぼたでしたねw



【システム】
さて本作と全然関係のない話が長くなりましたが、本作はコマンド選択型のADVです。
しかし、一般的な見る、聞く → 対象 といったようなものでは無く、ノベルの選択肢のような感じな選択肢が中心となっています。
また、選択肢に番号が振られていて、テンキーなどで簡単にコマンドを選べる仕様となっています。
選択肢の中にひとつだけ次に進めるものがあり、それを選ぶとストーリーが進む感じですね。
なのでノベル+コマンド選択式のADVという感じで、シナリオやストーリーを楽しむに重きを置いたシステムとなっています。
本作のキャラたちはどいつもこいつも一癖あるようなキャラたちで、
それに加えてシナリオも軽いポップな感じとなっており、それらを楽しむのに適したゲームシステムであると感じました。

また、本作ではバトルシーンなどがあるのですが、そこでコマンドを総当りなどするとゲームオーバーになります。
なので、考えてコマンドを選択する必要があるんですね。
そういったアクションシーンではコマンド選択式であることを活かしており、ゲームデザインは良かったと思います。


【ストーリー】
ストーリーはただのドタバタラブコメであってないようなものなんですが、転送装置を狙うDr.ヒマラーヤとの因縁がバックグラウンドにあります。
この背景がドタバタ部分となり、ラブコメ部分は主人公周りの変なキャラたちとの絡みですね。
基本的に変なキャラたちとのコメディが中心となっており、転と結でヒマラーヤが登場する感じですね。
まぁなんだろう、古き良きコメディ作品って感じだと思います。結構面白かったです。

ついでに結構スケベなシーンが出てきます。
といってもエロシーン自体はレズシーン1つだけで、グラフィックで表示されるのはバストだけで、アンダーのほうの描写はゼロですね。
少年誌程度のエロチックさです。



【グラフィック】
枚数自体は結構多かったと思います。
本作は電脳コミックADVと題されている通り、グラフィックにおいては一枚絵の他にコマ割りによる漫画的表現もなされています。
これによりグラフィクでの躍動感などが出ており、動的表現の補助やキャラクターの表情が良く把握でき、視覚的にも満足できました。
あとは目パチや口パチもありましたね。
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【総合】
ボリュームはあまりなかったものの、プレイしていて普通に楽しめましたし、なによりりえちゃんが良かったです。
いや、また男の娘関係でカズマのときの感情を抱くことが出来たのは思わぬ収穫でしたねw
是非Ⅰを入手してやってみたいですね~。
PC-88の同人ゲームだったら『魔法使いの妹子』を先に紹介するべきだろ~って感じもしますが、まぁこんなゲームもあったよってことでどうかひとつ。
1990年は非常に優れた作品が多いため、評価をつけるとしたら厳しいものになるのでしょう。
しかしそれ以上に、個人的には好きな作品でした。