_SL1500_

「りりくる Rainbow Stage!!!」

2016, 4, 28 / Win / ノベルタイプADV / PARTICLE




【商品概要】
“スキ” の想い、色とりどり♪
百合ドラマCD『りりくる』 が、なんと PCゲームになって登場!
明るく楽しくわかりやすい百合シチュエーションを、ドラマCD以上の魅力でお届け。
原画はドラマCDのジャケットでもお馴染み、
キラキラした繊細なイラストを描く みわべさくらさんが担当。
本作では、新人アイドルの桜庭遊乃・教育実習生の仁篠珠季・
風紀委員で忍者の高月紗恵香 が新たに登場!
三人の間に揺れる気持ちとそれぞれ前向きに成長していく様子を中心に、
日常のほっこりするような出来事やイチャイチャな展開が描かれていく。
もちろんドラマCDでお馴染みのキャラクターも登場! 
関係性の変化が感じられる後日談など、
ニヤニヤ・Doki Doki・ hshs できるエピソードが満載!
シリーズ総勢15名と賑やかになり、
今までにない意外な組み合わせの掛け合いが見られるかも?
初回限定版は、キャラクター全員出演のドラマCDや、
本作の主題歌CDにビジュアルファンブックも付く豪華仕様!
日頃から “女の子同士が仲良くしてるのってなんかイイよね” とか思っている方は必見!


【はじめに】
本作は『りりくる』という百合をテーマにしたドラマCDをゲーム化したものです。
ゲーム化にあたって新規キャラクターなどが追加されているそうですね。
私はドラマCDのほうを知らずにプレイしたのですが、
これといって不都合はなかったのかなと。
しかし、ドラマCDをやっていたほうが楽しめることは間違いないと思うので、
興味がある方はドラマCDからでもいいかもわかりませんね。

さて、本作はどんなゲームなのかと言われたら、
『屋上の百合霊さん』みたいなゲームだといえば想像しやすいのかなと思います。
百合ゲーで群像劇スタイルで、
ゲームのシステムもカレンダー(スケジュール帳画面)からイベントを見ていく…と全体的にも似通っているなと。
以下、細かい所について。


【ゲームシステム・ストーリー】
一応ジャンルはノベルタイプのADVとなっていますが、
本作はスケジュール帳画面からそれぞれのイベントを選んで読んでいくタイプとなります。
イベントを読むと新しいイベントが出るのでそれを読んで~と
繰り返してストーリーを進めていく感じになります。
イベントによっては選択肢があり、それにより出てくるイベントが変わったりします。

作品全体としてはたくさんカップルがいる群像劇っぽいスタイルとなっています。
百合霊さんでもそうでしたが、
こういった複数のカップルによる群像劇スタイルを表現する方法として、
こういったゲームシステムというのは効果的であるように思えます。
プレイヤーにイベントの取捨選択や読みたい順番などを委ねることもできますし、
誰の視点のイベントなのかや、どういうストーリーで続いているのかなど、
理解しやすいでしょうから。

そういう意味でも本作にこのシステムを用いたことは良いようにも思えるのですが、
ちょっと気になる点も。
本作はイベントが繋がってストーリーが形成されるというよりも、
それぞれのカップルの日常を垣間見ているという感じなんですよね。
個々のイベントをかいつまんでいるというか…
なのでストーリーらしいストーリーというのをあまり感じられにくく、
また、カップリングのイベントが中心となっているため、群像劇としては物足りない構成となっています。
確かに、大人数のキャラクターでワイワイするようなイベントなどは存在するのですが、
各キャラが関わり合うことがストーリーに作用し、
展開したりという点においては弱かったのかなと。


まぁ逆に可愛らしい女の子がキャッキャウフフしてるのだけでいいよ~って人は十分に満足できる作品となっています。
イベントによっては非常に破壊力のある物もありますしね、お互い着せ替えするイベントが有ったりと非常にニヤニヤできます。

【グラフィック関係】
イベントでは様々なカップルが登場しており、
誰の視点でイベントが進行するのかも異なってきます。
本作ではキャラクターごとにテキストの色が異なっています。
また、テキストウィンドウの色が誰の視点でイベントが進行しているのかによって変わります。
例えばこの画面だと、ウィンドウの色が赤なので赤いテキストのキャラ、右のキャラの視点で進行していることがわかります。
また、カップリングに寄って下のバーの色も変わるんですよね。
この場合だと赤と薄ピンクのキャラのイベントなのでそのような色のグラデーションがなされています。
結構細かいところではありますが、キャラによって色に違いを持たせ、
それにより誰がどのセリフかを表現していたりしており、画面デザインに工夫がなされていて好感が持てました。
イメージ059

演出もまぁまぁ良かったように思えます。
立ち絵では目パチもありましたし、目をラメでキラキラさせたようなエフェクトを用いていたりしており、キャラの可愛らしさが出ていましたね。

【声優】
自分は声優に大して詳しくもなく、関心も低いのですが、
そんな私でも知っている声優がたくさんいました。
なので結構豪華なのではないでしょうか。
本作ではカップルのエンディングを見た際にはキャストフリートークを見ることができますし、
声優好きには満足できる作品となっていました。


【総合】
よくできたいい作品だったと思います。
しかし、これだという強い長所が見つけられず、
元がドラマCDということでオリジナルではないこともあり、良作に止まってしまうのかなと。
声優好きとかにとっては名作になりそうですけどね、キャストフリートークとか、エロゲとかだとあんまり見かけませんし。まぁ本作エロゲじゃないんですけど。
なんにせよ、百合ゲーが好きだったり声優に強い関心のある方は非常に満足できる作品だと思います。