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「リップスティック・アドベンチャー2」

1989, 12, -- / PC-88 / コマンド選択型ADV / フェアリーテール





【商品概要】
●いよいよリップスティック最後の謎が完結する!
前作リップスティック・アドベンチャーから1年。
けなげな女子高生に過ぎなかった音美も今や華の女子大生。
ちょっぴり大人の色気を漂わせながらの再登場は、彼女の知るものの胸を熱くさせています。
しかも音美は、単に前作よりもカワイクなったにとどまりません。
より知的に、よりパワフルに、事件解決に突っ走ります。
もう、捕らえられ、助けを求めるだけのヒロインではありません。
より果敢に、挑戦し、大胆にあなたと一緒に活躍する文字どおり現代のヒロインです。
そんなヒロインの助けを借りて、主人公のグレードがアップしないはずがありません。
より複雑な謎と、巨大な敵を向こうに廻し、時には喧嘩もしながら二人は絶妙のコンビネーションで立ち向かいます!!
さァ、一刻も早くあなたもこの新たなる謎にチャレンジしてみて下さい!
(パッケージ裏より)






【そもそも2の感想を載せる前に1の記事がないのはダメだろう】
本作は1988年に発売された、『リップスティック・アドベンチャー』の続編です。
シリーズ物の感想を書くときは最初から書いたほうが良いなあとは思うのですが、
1のほうは当時のアダルトゲームの流れなどを詳しく把握していないと
なかなか書くのが難しくて…
ちょっと間違っているところもありそうですが、
この場を借りて簡単ではありますが一応1の方の説明から入らせていただきます。

先程も述べたとおり、『リップスティック・アドベンチャー』は1988年にフェアリーテールから
発売されたPC-88用のアダルトゲームです。
(一応98版やx68kも出ています)
コマンド選択型のADVで、ストーリージャンルは推理モノとなっております。
また、実は本作が発売される前に、
『リップスティック』というシリーズ物のCG集が発売されています。
本作はそのCGを流用してアドベンチャーゲームとしたものです。

あらすじ
探偵・浅見五郎の下に富豪の嵐山から家宝を捜して欲しいという依頼が舞い込む。
警察には届けを出していない、家宝の入った高価な宝石箱の写真のみで中身は秘密、
等、気になるところもあるが、五郎はその宝石箱を無事見つけ出す。
それを嵐山に渡し依頼完了と思いきや、今度は幼馴染の清里音美が誘拐されて…。
(wikiより引用)1


さて、この『リップスティック・アドベンチャー』、
後のアダルトゲームの基礎を作ったと言われています。
それはなぜか、理由は大きく分けると
1.ヒロインの扱い方
2.キャラクターを活かしたストーリー
でしょうか。
『リップスティック・アドベンチャー』が発売される前、
つまり1980年台前半のアダルトゲームにおける女性キャラというのは、
ナンパゲーにおける裸を見る対象や攻略対象でした。
しかし、本作のヒロインである音美は主人公に寄り添いながらもHなシーンは存在せず、
主人公の女房役のようなポジションに位置しています。
そのようなポジションに位置させることで、
単なる女性キャラを攻略やHな物を見る対象から大きく外すことで、
一ヒロインとしての人格を強調させることに成功したように思われます。
そして、このように、
主人公と同列に存在する女性キャラというのは当時では極めて珍しかったと思われます。

本作が発売された後には『デリンジャー』の中原美希や
『きゃんきゃんバニー』シリーズのスワティといった、ヒロインが登場してきます。
このことから見ても本作が後のゲームに与えた影響は大きいことが分かるでしょう。


次に2つ目のキャラクターを活かしたストーリーについてです。
PC-88の時代のゲームと言えば野球拳とかパズルやら、
ちょっとしたミニゲームをやってHなCGを見るもの~だとかナンパゲーばっかり…
という印象をお持ちではありませんか?
そういったゲームも確かに存在しますが、
細かく見てみると今現在エロゲ業界に氾濫しているノベルゲームのようなもの
(全流通のものとか)や、コマンド選択型ADVなどゲームの種類は多々あります。
また、同時にストーリー重視と言われる作品もあります。(殺しのドレスとか)
ここで、ストーリー重視の作品は比較的シリアスな探偵ものが多かったです。
そのような作品ではキャラクターたちがコミカルな会話などをすることがなく、
キャラクターが活かされているということがありませんでした。
そこで本作です。本作もストーリーが優れた探偵モノなのですが、
キャラクターがみな個性的でコミカルなのですよ。
これは当時では衝撃的だったのではないでしょうか。

実際、98時代のライターさんのブログを見たときに、
「当時会社に入った連中はリップスティック・アドベンチャーを参考にゲームの作り方を覚えた。そして連中は様々な会社へと移動し、ゲームを作った。そういうわけで、リップはエロゲ業界に与えた影響は大きい。」
といってましたしね。


そんなわけで『リップスティック・アドベンチャー』は
アダルトゲーム業界に多大な影響を与えた傑作なのです。
そんなゲームを作ったのがelfの創設者である蛭田昌人さん。
そのポップでコミカルなシナリオ、蛭田節を遺憾なく発揮した本作、
蛭田ファンならやってみてはいかがでしょうか。

けど、今やって純粋に楽しいかって言われたらそうでもないので
楽しいか否かで物差しを計る人はやらなほうが良いと思う。
ていうかそういう人は昔のゲームやらないほうが良いと思います。

というのも、やっぱり今と昔のゲームは違うからです。
ノベルタイプとコマンド選択型と、ADVのジャンルも異なりますからね。
まぁあとはゲームデザインの面とかですかね。
今で言われる名作の基準と昔の作品の名作の基準って異なりますからね。
いまだとストーリーが優れているの一本で名作とか言われたりしますが、
昔の作品はゲームのシステムだとかそういった面も含まれていますから。
そういった今と昔の違いを理解していないと、
なんで名作って言われているのかわかんねってなりかねませんから。
まぁ私も今と昔の違いを正確に理解しているとは言えませんが…
そもそも私はFM音源とかドットが好きな人間ですからね。
昔の作品をやって分析したりするのも楽しいなーとは思いますが、
そういう面で楽しんでいる面が強いです。




【感想】
で、やっと『リップスティック・アドベンチャー2』のお話になるわけですが、
まずはフェアリーテールから。
フェアリーテールは有限会社キララのブランドです。
そして有限会社キララは株式会社ジャストから分社化したものです。
ジャストは『天使たちの午後』などで有名な老舗メーカー、ご存知かと思います。
ちなみにジャストはなんやかんやあって
現在のパープルソフトウェアとなりその魂は引き継がれている(継がれてない)。
フェアリーテールは人材の流出が激しく、『リップスティック・アドベンチャー』を作った
蛭田氏も2の制作に携わることなく出ていってエルフという会社を設立した。

ということで本作には蛭田さんが関わっておりません。
一応前作という資料があるため、残ったメンバーで頑張ったのでしょう。
シナリオがそれっぽい風にはなっているなと思いました。しかしやっぱりぜんぜん違うなぁ。
主人公に切れがないんですよね。ストーリー上でもちょっとアホっぽい感じですし…
ストーリー自体は比較的テンポが良かったかなと。
事件が次々に起きるうえ、本作難易度が低いためサクサク進めることができるからでしょう。
しかしその反面、推理、というか謎を追っている感じがなかったかな。
本作は簡単なため、どのコマンドを選べば次に行けるのかすぐ分かるのですよ。
なので考える余地がなくさらっと次へ行けるため、
事件のダイジェストを見ているという印象のほうが強かったです。

(てか、これやって思ったけど蛭田さんの作るコマンド選択型ADVってやっぱりちょっとむずかしいのかな。
DEJAとかやったのだけれども次どこ行くのか分かりにくくて色んな所うろつきましたしね。
まぁ当時の私がコマンド選択型のADVに慣れていなかったからかもしれませんが…でもBactaとか簡単だったしな)
あと、謎自体にも魅力がなぁ…ていうか最後の謎ってなんだよ(
謎には何かしらのストーリー性というか、犯人サイドの思惑だとかがあってほしいんですよね。
今作だとそういった部分も陳腐なせいで、悪役・犯人自体に 魅力を感じれませんでしたね。

BGMは結構良かったかなと。印象に残っています。
グラフィックは普通か、音美が相変わらずカワイクて良かったですね。

とまぁ前作よりはストーリー・シナリオは劣るものの
テンポの良さやBGMは今作のほうが良かったかな。
作品全体としてもなんというか~地味で真面目な学生みたいな感じで、
成績表でCとかBしかもらえないタイプの作品でしたね。



総合評価:B (良作)